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【  2014年08月  】 

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10話:ミルレス奪還

Chapter13 ハデスの使徒

2014.08.13 (Wed)

 「時は満ちた。皆の者、出撃じゃ!」月が明るく照らす森の深い夜。普段なら静寂に包まれるこの場所がにわかに騒がしい。ついにミルレス奪還作戦を決行すべく集まった者たちが、町を目指して進軍を開始したのだ。相手に悟られぬよう、月明かりに頼り闇にまぎれての行動はまさに夜風の如き静けさ。「相手はネクロ教の暗黒魔法・・・。でも、魔法に対する抵抗力はできる限り上げたし、大丈夫さ!」シャニーとエルピスで分担して、仲間たち...全文を読む

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11話:魔神の力を継ぐ男 前編

Chapter13 ハデスの使徒

2014.08.13 (Wed)

 「・・・来ましたか。やれやれ、人がお茶を楽しんでいるというのに土足で上がり込むとはね・・・。」一口香りのいい茶を口にすると、敵を前にしているというのに実に幸せそうな顔をしたのはマヴガフだ。彼は怒りの眼差しが注がれると、鬱陶しそうに口元を曲げてティーカップを置く。帽子を手に取り深く被って立ち上がり、上着をばっと音を立て着込む。「マヴガフ!よくも聖職者達を!よくも罪も無い人々を!」彼のあまりにも余裕に満ち...全文を読む

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12話:魔神の力を継ぐ男 後編

Chapter13 ハデスの使徒

2014.08.13 (Wed)

 だが、あるはずの感触がなく空振りしたゲイルは勢い余って転びかけた。目を恐々として視線を正面へと戻すゲイル。確かに捉えたはずだ、あの動きで避けられるはずがない。だが、右を見ても左を見ても彼の姿はどこにもなくなってしまったのだ。「ゲイル良く見て!あなたを飛び越えたのよ!短剣に乗って!」後ろから悲鳴に似た声が飛んで来て、思わず頭上を見上げるゲイル。途端に彼の目が飛び出しそうなほどに見開かれ、その瞳は小さく...全文を読む

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1話:恐ろしい敵

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

  脅威の過ぎ去ったミルレスはいつも通りの平穏さと清閑さを取り戻し、穏やかな休息の神の息吹と小鳥の心地よいさえずりは傷が癒えるのを早めてくれる。そして何より、多くの者達の祈りが静かに眠る乙女を支え、彼女は暗黒から覚めた。「う、ううん・・・?」「シャニー!気づいたか!ああ、よかった。」ようやくに目を覚ましたシャニーの空色の瞳が虚ろに光を映すと、ゲイルは感激の涙を隠すことなくそのままシャニーに抱きついて歓喜...全文を読む

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2話:策 対 策

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 翌日、シャニーの容態は予想以上に良好で、レイから許可が出た彼女は飛んで跳ねて喜んだ。神官長たちに挨拶をして早速ミルレスを後にした彼女はぐんぐん先を急ぐ。「パージフレアも手に入れたし!よおし、待っててね、リュミエさん!」自分が意識を失ってしまっていた間、今も圧政に苦しんでいる人たちは要らぬ悲しみに苛まれてしまっている。それを1日、いや1時間でも早く開放したくて急ぐ足取り。その中でもまず一番に目指すは大事...全文を読む

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3話:白の騎士 黒の死神

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 「これでも喰らいなさい!アイスランス!」激しく打ち合ってその衝撃に吹き飛ばされるように距離が開く。だが、生まれた間合いを使って手先に召喚したアイスランスを投げつける。鋭く磨かれた氷結の槍が、構える相手の胸元へと突っ込んでいく。「そんな中級魔法など、オレに通用すると思っているのかい?」マナを使うまでもないと言わんばかりに、渾身に突き出した槍で氷を砕く。木っ端微塵に砕かれて飛び散る氷が阻む視界。次の攻撃に...全文を読む

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4話:敗走と進撃

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 サラセンの町並みを高台に作られた屋敷から眺めているのはヤアンだ。彼は巨体を胴衣に包み、手を後ろで結びながらサラセンの次を考えていた。どこに財を投じれば発展するか・・・目を細めて復興して生まれ変わった町を愛でる。「ボス、どうします?」「あん?何がだ?」その時だ、ふいに後ろから声がして振り向けばスーツでしっかり身を固めた男が部屋に入ってきた。彼はサングラスをしていても分かるほどに何やら狼狽した様子。かつて...全文を読む

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5話:忍び寄る蛇神

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

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6話:葛藤と逃亡

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 「あー、アンドラスだー。」「あら、こんにちは。今日も元気ね。」翌日、ハデスのマナによる侵食もなくアンドラスは元気に町を歩いていた。向かった先は今日も孤児院。袋を手にご機嫌にスキップしながら歩いていると、敷地内から子供が飛び出してくるなり指差して走ってきたではないか。彼の声を聞き、他の子供達も顔を出し、彼女の周りはあっという間にやんちゃな声に包まれる。「わー、軍服だ。かっこいいなあ!」今日は彼らを驚かして...全文を読む

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7話:砕けた剣

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

  あれから3日ぐらいたった日のことだ。城の中で何やら黒ずくめの集団がソファに腰かけている。ギルド長会議などのルアスでのスケジュールをこなしたヤアンが部下たちとサラセンへの帰路について話を進めていたのだ。その時である、ふいに後ろから彼の名前を呼び、駈けてくる声。「・・・あ、ヤアンさん!よかった、まだルアスにいらしたんですね。」「よう、この前はその、なんだ、悪かったな。気に障ること言って。」振り向かなくて...全文を読む

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8話:聖騎士の憂鬱

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

  一方、ルアス城のテラスでは、セインが遥か遠くを眺めて憂いの眼差しを風に流していた。彼はふと、首にかかった古い懐中時計を手に取ると、開いて中を見つめだす。「シャニー・・・。君は今どこで何をしているんだ。」その中には、幼き日の自分と、その横で太陽のように笑う少女。彼らはかつての幸せを伝えてくるかのように笑いかけてきて、家族で過ごした思い出に彼の口元に静かな笑みが浮かぶ。この少女は今もどこかで命を狙われ...全文を読む

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9話:熾天使の憂鬱 前編

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 「喰らえ!とどめだ!」「くっ・・・!きゃ!」一方、当の本人は今日もスオミへ向かう旅の道中、休憩時間を使ってゲイルと稽古中だった。いつも最後は手合わせして締めるのだが、今日はどうにも戦況は一方的だ。ゲイルの一撃を避けようとした足元がもつれ、彼女は尻餅を突いてしまう。「どうする?弓なんかこの間合いで構えられるか?」倒れた彼女との距離を詰めて、キュレックの先を向けてやるゲイル。その勝ち誇った顔がどうにも気に入...全文を読む

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10話:熾天使の憂鬱 後編

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 「・・・。」その日の夜、皆寝静まった後もまだシャニーは焚き火をじっと見つめていた。いや、確かに瞳は紅蓮を映しているが、まるで魂が抜けたかのように微動だにしない。パチパチと薪が爆ぜる音と虫の声だけが辺りを包み、誰もその場にいないかのようだ。「あなたは・・・誰なの?どうして私はあなたを知っているの・・・。」突然にポツリと漏らされたささやき。誰に対して言っているかも分からない問いに返ってくるものはなく彼女の...全文を読む

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11話:白い羽の悪魔

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

  ケンカするほど仲がいいとはよく言うが、この二人はまさにそれなのだろうか。昨日あんなにいちゃいちゃとしていたくせに、次の日の夕飯を囲む雰囲気はなんとも険悪。下手に手を出せずにメルトやエルピスは黙々と夕飯を口へと運び、レイもきょろきょろしながらも何も言い出せない。「ごちそうさまっ。私、もう寝るから後片付けは自分でやっといてね!」食器をバンと音が鳴るほどに地面に叩きつけるように置いたシャニーはゲイルを睨...全文を読む

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12話:ホムンクルスの正体

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 「ちくしょうめ!この粛清の熾天使が!」「なんですって?!じゃあ本当に粛清をかけてやろうか!」まったくネタに尽きない連中である。ようやくシャニーに許してもらったと思ったら、それからまだ数時間も経っていないというのに、また二人はケンカをしていた。彼らは鼻を押し付けあいながら睨みあい、互いに全く引く気はなく目から火花を飛ばす。「おいおい、お前らまたケンカかよ。ホントラブラブで羨ましいぜ。」2年前の旅のときも、...全文を読む

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13話:救いを拒む者

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

  ついにスオミに戻ってきたシャニーたちは、さっそくにグレリア家への潜入を開始していた。シャニーを先頭に屋敷の敷地内に音もなく忍び込む彼らは実に手際がいい。「へっへ、見つけたぜシャニー。」だが既に、その姿を見つけて猟奇的な笑みを浮かべる少女がいた。「ぐっ・・・くそ、胸が痛むぜ。はぁはぁ・・・ふふふ。」マナを使って宙に浮き、空から彼女達の様子を窺っているのはフェアリーゼだ。だが、どうにも様子がおかしい。胸...全文を読む

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14話:安息の場所

Chapter14 抗拒する者達

2014.08.13 (Wed)

 「鬱陶しい!このアイスランスで今度こそ串刺しにしてやる!死にな!」「何度やっても同じ事よ!あなたの氷結魔法なんて私には通用しないわ!」まずは自分を散々にコケにしたあの女から仕留めてやろうと、リュミエからの攻撃を避けながら身を翻す。振り向いた先を怒りの眼光で串刺しにし、召喚したアイスランスを投げつけた相手はエルピスだ。だが、またしても彼女は避ける事はなく、極寒の槍があっという間に水蒸気へと変わる。まるで...全文を読む

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1話:帝国最高料理人

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

  ここはルアス城の地下にある、王室の料理を作っている厨房である。いつもいい香りが漂っているこの場所は、帝国最高料理人と名高い男が仕切る高潔な場所。一流ともなれば、調理の音もまた音楽のようにリズムよく心地のいいもの。ところが、今日は何だかいつもの気品の高さとは違った音が聞こえてくる。「あああ!なぜそんな事をしているんだ!」背の高いコック帽子を身につけた男の眼鏡が光ったと思うと、彼は目を見開きながら駆...全文を読む

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2話:大陸の中心を見つめて

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

  一方、フェアリーゼを倒したシャニーたちはリュミエたちと共に勝利宣言を終え、屋敷に戻ってきた。光を取り戻したグレリアの屋敷はかつて見た威厳を取り戻し、朝日に輝いている。すべきことはたくさんある、むしろこれからスタートだとは分かっていても、部屋に戻るとリュミエは大きく深呼吸した。「ああ、やっとスオミを取り戻すことが出来たよ、シャニーありがとうね。」「う、うんん。私もリュミエさんやスオミを助けることが...全文を読む

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3話:包囲網

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

  ルアスの朝は今日も静かに始まる。オーレイル家では親子が二人で朝食を取っていた。父は足の高い皿に載せられたゆで卵の白身をスプーンで静かに外して黄身を口へ運び娘は屋敷にお付の料理人の腕を盗もうと、料理を小難しい顔で見つめて食べようとしない。「ア、アルトシャン様ぁ!!」その時だ。突然に外で馬の駈ける蹄の音が聞こえたかと思うと転がり込むように屋敷の中へ走ってくる足音が聞こえて眉間にシワを寄せるアルトシャ...全文を読む

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4話:エンチャに夢中

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

 「あー!もーう!」ルアスへ立つ前夜、シャニーたちはグレリア家の一室を借りて泊まっていた。立派で荘厳な屋敷に似つかわしくない怒りに満ちた声が夜のスオミに響く。その犯人は今も小難しい表情をして巻物に指輪を包みながらマナを注ぐ。「むーかーつーくうううう!きいいいい!」またしても夜の空に響く奇声。髪の毛を掴んでくしゃくしゃにしながら歯をむき出しにしてヒステリックを爆発させているのはシャニーだ。ところが周り...全文を読む

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5話:光と闇と

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

  作戦準備は着々と進み、ついにルセンへの出陣の日も決定した。そんな中、今日もアンドラスはルアスの町の中を一人で巡回していた。戦場へ赴く前に、子供達にしばらく会えないことを伝えておこうと思った帰路だった。「あ、ヤアンさん!こんにちは!」最近、よくヤアンがルアスに来ているのを目撃する。二メートルを優に超える巨人は、遠くからでもよく分かりアンドラスの顔に笑顔が映える。大きく手を振りながら彼に声をかけると...全文を読む

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6話:いなかもの

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

 「ルアスか・・・あそこに侵入しないといけないなんて厄介だな。」向かう先は決めたものの、やはりいざ決行となるとかなり難題が残る。何せ錬金術研究所があるのは帝都ルアス。騎士達の警備が最も厳しい場所だ。ただでさえお尋ねものとなっている彼らが帝都に侵入するだけでもかなりの危険が伴うというのに。「今じゃ私だけじゃなくて皆まで異端者だなんて・・・ごめんね、みんな。」難しい顔をしながら地図を見つめるゲイルに思わ...全文を読む

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7話:帝国潜入

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

  翌日、ついに出発したシャニーたちはすでにスオミにはいなかった。多くの魔術師たちから激励を受けるその輪の中から、手を振る彼女達はあっという間に消えてしまった。リュミエのウィザードゲートで一気にルアスまで近づこうというのである。「よーし、ついたよ。ここはルアスの南西の森さ。」彼らが姿を現したのは森の中。次第にぼやけていた視界が開けてくるとそこにはスオミの森特有の水の香りはない。リュミエに場所を教えら...全文を読む

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8話:最高料理人イーグラー

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

 「さぁて・・・どうやって潜入しようか。」すでに城下町に侵入したシャニーたち。やはり町の中はいたって普通で、簡単に変装が通る。旅の行商人を装った一行は向こうに見える城を見上げて策を練っていた。町の中はこれだけ人がいるから簡単に紛れる事が出来るが、城はそうも行かない。「ルアス城の地下に錬金術研究所への隠し通路がある。夜潜入して一気に突破するぞ。」「とは言っても、ルアス城に潜入するのだって簡単な話じゃね...全文を読む

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9話:操るもの、操られるもの

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

  同時刻、今日も薄暗い部屋の中で多くの者達が静かに、だが確実に解析を進めて行く。錬金術研究所の中では、創造の錬金術研究が着々と進められている。その暗い部屋の中を、まるで何かの影のように進んでくる男。「おやおや、いくら暗黒神を崇拝する宗教とはいえ、暗すぎるというのも考え物ですね。目が悪くなりますよ。」光を嫌うかのように手元だけの明かりで研究に励む研究者はふいにかけられた声にびっくりして顔を上げ、そし...全文を読む

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10話:フレイム・マインド

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

 「何だかとんでもないことになっちまったな、どうすんだよシャニー。」「本人はやる気になっているようだがな。」いきなりルアス貴族という舌の肥えた人間ばかり溢れる場へ料理を提供することになってしまった。いくら彼女が料理は得意とは言っても、普段は最高料理人が創る品。とても彼の目に適うとは思えず、ゲイルは困惑を口にするがメルトの口元はなぜか柔らかい。「はぁああああ!こんな厨房で料理を作るなんて夢だったんだよ...全文を読む

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11話:開かれた扉

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

 「良かったな、イーグラーが変わり者で。」長年使われていない地下通路は埃臭く、あちこちから地下水が滴る。その中をカンテラを片手に先頭を歩くメルトが安堵を漏らした。かなり結果論だが、今はとにかく親友に感謝するしかない。「類は友を呼ぶってか?変人で有名って言ってたけどマジなんだな。」出会ったすぐから、何だか常人ではないような雰囲気だった。国のためとはいえ、平気でこうして祖国に刃を向けられるメルトも中々に...全文を読む

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12話:錬金術研究所襲撃

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

  晩餐会が開かれて、シャニーの料理が貴族たちを唸らせている頃、夜を待ってついに突入した彼女たちは、レイからもらった構造図を頼りに壁伝いに進む。この先は物置で誰も来ないはず。その話を信じて構えたゲイルが気弾一発。「よぅし!シャニー、俺の傍から離れるなよ!」王族脱出用の通路のカモフラージュのために作られていた壁は脆くも崩れて先に広い空間を覗かせる。その巨体を割れた壁に押し込んで更に穴を広げると、ゲイル...全文を読む

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13話:未来への決断

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.13 (Wed)

 侵入者を探す警備員達の横で、頭に手を結びながら様子を伺うエルピス。どうにもドンくさい。ここまで幻術の手を抜いているのにまるで気付かないのだ。「あそこだ!侵入者がいたぞ!待てぇえええ!」どうにもつまらなく、エルピスは警備員達がどたばた走り回るど真ん中で幻術を解いてやった。一瞬の空白の後、指をつき向けて色めきだって突っ込んでくる人間達。放たれた錬金銃を避けてやれやれと両手を広げながら彼らの様子をニヤニ...全文を読む

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14話:脱出

Chapter15 焔魂の料理人

2014.08.14 (Thu)

 「?!な、何だこの揺れは!でかいぞ、地震か?!」地下の書庫で賢明に資料を燃やし続けていたゲイル。その屈強な体が揺さ振られて転びそうになるほどの激しい揺れと轟音。見れば頭上の照明が激しく入れて今にもちぎれそうだ。「恐らくシャニーたちがデータベースを破壊したのだろう。急ぐぞ!」思ったとおり、彼女達のほうが早く片がついた。もう数分でこの地下まで戻ってくるに違いない。書類を両手に抱えながら駈けては火の中に...全文を読む

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1話:禁忌の血

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  錬金術研究所襲撃の話はすぐさまアルトシャンへと伝えられ、その被害に彼は絶句するしかなかった。今までの研究の全ての資料が消えたというのだ。紙も、データも、全て。唯一残ったとすれば、研究者達の頭の中だけ。団長室にテーブルを叩き付ける音が響く。「おのれ、シャニーめ。まさかこうも抵抗するとは。」彼にはもう今回の襲撃の犯人が誰か分かっていた。こんな、誰にも気付かれずに潜入できるなど消去法的に一人しかいない...全文を読む

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2話:クリスマスプレゼント

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  錬金術研究所襲撃から数日、ルアスから脱出したシャニーたちは森の中にいた。錬金艇の不時着で負った傷は浅くはないが、誰もそれを理由に立ち止まりはしない。特にコックピットにいたメルトの怪我の深さは頭をぐるっと一周する包帯が物語るが、いつも通りその眼差しは厳しい。ルアスから北上し、ミルレス周辺から迂回して大陸の反対側へと向かおうと今日も歩き続ける。「ううう・・・寒い・・・寒い・・・。」いつの間にか吹き抜...全文を読む

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3話:ホワイトクリスマス

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  それから数日後、寒さは一層に増してあたりは今にも雪が降りそうなほど冷え込んでいた。それでも元気なもので、シャニーは鼻唄なんか歌いながら列の先頭を歩いている。彼女のご機嫌なテンポにつられてか、心なしか一行の足取りも軽快だ。「ねえ!ゲイル!今日はクリスマス・イヴだね!」突然に振り向いて後ろ歩きしながら嬉しそうにゲイルを見上げるシャニー。彼女がご機嫌な理由はこれだったようだ。ふと時計に目をやれば、確か...全文を読む

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4話:セインの疑惑 前編

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  錬金術研究所襲撃事件から早数週間が経ち、ルアス内も新年を迎える準備に追われる中、研究所の復興作業は急ピッチで行われて、今では元通り研究が行われている。だが、アンドラスが向かう先は研究所ではなく帝立病院だった。「あ、レイ!ようやく会えたわ!」病院の中庭を歩いてきょろきょろしていた彼女は、やっとの事で目当ての人物を見つけて小走りに寄っていくが、いつもの元気な駆け足ではなくなにやら足を引きずっているよ...全文を読む

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5話:神の意志

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  一方、セインもまた町へと向かっていた。エルモアを駆りあっという間に教会へと入っていった彼だがすぐさま飛び出してきて町さえも今度は飛び出してしまった。森の中へとそのまま駈けて行く彼がようやく止まったのは、一軒のボロ屋の前。「父上、またこんなところにいたのですか!」何度来ても酷くぼろぼろだが、とても懐かしい場所。中は埃だらけでかび臭く、あちこちに蜘蛛の巣がかかって苔さえ生している。そっと中へと入って...全文を読む

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6話:セインの疑惑 後編

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

 「むっ、なんと、こんな時間になっていたとは! 父上、私はこんなことを話すためにここまで探しに来たわけではありません。大変なんです。」父のあまりにも哀愁に満ちた背中に何も言えなくなっていたセインだが、妙に窓から入る西日が眩しいことに気づき、時計を見下ろしてはっとした。妹を助ける為に、今自分はここまで来たのだ。過去は変えられないかもしれないがこの先はきっと彼女を守る為に。「知っておるよ、話を脱線させて...全文を読む

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7話:重要参考人

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

 「騎士で思い出しましたが・・・そういえばあなたとメルト殿は親友同士だったそうですね。」「ああ、ふっ、共に平民からのたたき上げだ。目指した道は最初から違うが切磋琢磨したものだよ。 例え歩む道は違えど・・・求めるものは同じだったからな。人々の笑顔・・・今も奴はその道を歩んでいるはずだ。」武人と料理人、本来まるで違う世界に住む両者のはずだった。方や戦場、方や地下の厨房。出会うことさえも奇跡と呼べる二人だ...全文を読む

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8話:見えない陰謀

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  レビアで大量の雪を降らせた雲が空風を吹き降ろし、とても冷え込む山岳部のルセン。その夜を野宿で過ごすと、干物にでもなってしまいそうなひもじさだが、今日はシャニーもルンルン気分に鼻唄が小気味良い。「はあああ!久しぶりの・・・ベッドだああああ!」フロントで貰った鍵を指先でくるくる回しながら部屋を目指し、中へと入ってすぐに彼女が駆け出して確認しに行ったのは寝室だった。ベッドがある。いつも寝心地の悪い寝袋...全文を読む

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9話:ゴミ賊

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  シャニーが熾天使の肩書きを使って威張れる時間はほんの僅かだった。翌日宿を出てしばらく歩いた後に待っていたのは、元熾天使からの拷問とも言えるスパルタ特訓。「あーもう、ダメダメ!」「ひぃ!」この時間の中では完全に立場が逆転して、涙目で逃げ回るシャニーはなんとも哀れ。またひとつ、背筋が凍りつくほどの鋭い鞭の音がしたかと思うと悲鳴が上がる。「もーう!あなたってどうしてそうヘタクソなの!」足元の直撃すれす...全文を読む

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10話:1年の終わりに

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  エルピスの言うとおり、シャニーはその後すぐに回復した。さすが棒で打たれてもびくともしないパスタ生地といったところか、シャニーは何事もなかったかのように旅を続けそれから数日経ったある日のことだ。宿の部屋にかけてあるカレンダーを見つめたゲイルはついに訪れたその日に感慨深そうな声を漏らす。「今日はもう12月31日なのか・・・。」「え?!本当だ!あれえ、クリスマスからもうそんなに経ったっけ・・・。」ゲイルが...全文を読む

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11話:お年玉くれ!

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  結局シャニーも甘いもので、ゲイルに飛び切りのごちそうを作ってやった。うまい飯もあって夜は盛り上がり、そしてついにその時が訪れる。「3・・・2・・・1・・・。」「うりゃ!!」カウントダウンが終わるとともに弾けるクラッカー。そう、ついに年越しを迎えたのである。その瞬間にシャニーは飛び跳ねて喜び、メルトも何か感慨深そうに神秘的な夜を照らす蝋燭を見つめている。「あけおめ!」「ことよろ!」今年も何一つ変わ...全文を読む

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12話:カス賊

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  皆が起きるより大分早く目が覚めたシャニー。空を見ればまだ群青で、陽も出ていない。普段ならそのまま寝袋に顔を埋めるのだが、今日はゲイルを起さないようにそっと抜け出した。「はぁ、あの時は死ぬかと思ったよ。まさかホントに撃ちこんでくるとはなぁ。こりゃ先が思いやられるや、トホホ。」厳かな朝だが、シャニーには昨日のようなテンションの高さはない。マナで弓を生み出すとイメージしては構えてを繰り返し、黙々と朝稽...全文を読む

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13話:隠匿の賢者

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  シャニー達への検問が張られていると聞いて焦る男がルアスにいた。彼は病院の自室でうろうろしながら、どうするべきかを思案している様子だったが、やはりできる限り騒ぎにならない方法をとろうと、友のマナを追い始める。「ったく、あいつら今どこほっつき歩いてるんだか。」錬金術研究所襲撃後、後を追おうと思ったが機を逸したレイは合流の機会をうかがい続けてきた。だが今日も、手を結び精神を集中させてマナを追おうとする...全文を読む

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14話:狭き依り代

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

  世間の寒風など、毎日灼熱の太陽が叫び熱砂が吹き荒れるこの黄金の町サラセンには無縁である。全てを干上がらせる眩しすぎる光から逃れるように町外れに造られた小さな庵では、今日もマヴガフがくつろいでいた。上着を脱ぎ、カマーベストを緩めた彼は椅子にもたれかかってサラセン特産の香り高い茶に鼻を躍らせる。「マヴガフー、もうちょっと力を戻してくれよー。これじゃさすがにやり辛いぜ。」その時だ、ふらふらとした足取り...全文を読む

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15話:SoulFull Bridge

Chapter16 SoulFull Bridge

2014.08.16 (Sat)

 「ここの森を抜けたらルセン橋梁だっけ。」大分森の奥まで歩いてきて、周りの地形が土と言うより岩場が目立つようになってきた。気候もますます冷えてきて、空っ風が吹きぬける度に背筋が反りあがった。険しい山道、厳しい寒さ、それらももう少しで終わると思うとシャニーの口調も心なしか嬉しそうだ。「そうだ。帝国が巨額の材と人を投じて作り上げた橋。まさに国家の威信を象徴する巨大陸橋だ。」アルトシャンが総統の位に就任し...全文を読む

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