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 ←3話:喜劇の人形たち →5話:激突の雄姿
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「ChaosTrigger~天神復活と破滅の魔道書~」
Chapter17 悲壮なる叫び

4話:引き裂いた毒牙

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 それからどれだけ歩いたことだろう。歩いても、歩いても、同じ景色ばかり。
迷っているのかはおろか、まっすぐ歩いているのかさえ分からなくなってくる。

「マヴガフ大司教、一体どこへ行くつもりなのだ。シャニー達はどのあたりにいる。」

ポケットに手を突っ込みながら、チンタラと歩くマヴガフの後ろについていくセインは窮屈そうに歩幅を狭める。
どうにも信用できないマヴガフの背を追うのは不安で仕方なく、あれこれマヴガフに問うのだが
彼は聞こえていないのだろうか。振り向くこともなくのろのろと進んでいく。

「聞いているのか、マヴガフ大司教!」
「まぁまぁ、アナタも若いですねェ。落ち着いてくださいよ。
 慌てる乞食はもらいが少ないって言うじゃないですか。急ぎたければ黙っててください。」

セインの怒りをひらりとやり過ごすと、またトロトロと歩き出す。
なんともこの男はつかみどころがない。まるで暖簾を押すかのようである。
止む無く彼の後を黙ってついていくこと数分、突然彼は止まりはるか遠くを見つめだす。

「よし、彼らの位置を特定出来ましたよ。ふふふ、ハデス神よ、ご加護に感謝いたします。」

いよいよ彼らに会うことが出来る、そう思うとアンドラスの目に力が入る。
マヴガフには何かが見えているのだろうか、逸る彼女を目で引き止めると、
闇の奥を凝視して指で何かを数える仕草をしてみせる。

「シャニーたちが見つかったのですか?どのあたりにいるのですか?」

まるでエサを前にマテを喰らった犬のように落ち着きのないアンドラス。
ついには急かすようにマヴガフに後ろから相手の居場所を問いだした。
大方、それを言えば彼女は一人で突っ込んでいくに違いなく、マヴガフは振り向くと指を振った。

「お待ちなさい、彼女は仲間と共にいます。今アナタ様が出て行っても返り討ちですよ。」

正直、今の彼女の腕ではサシでもシャニーと互角が関の山だというのに
今シャニーはエルピスを含め4人も仲間を引き連れているのだ。
誰が考えたって返す言葉は同じだろうに、アンドラスは言う事を聞かない。

「そんなことありません!私一人で十分です!」
「おやめなさいって、無謀はケガの元・・・おっと、ケガじゃ済まないかも?
 この相、死ぬかもしれませんよォ?悪いことは言いません、私めの作戦に耳を傾けてもらえませんかね?」

人形のお守りをしなければならないとは全く持って面倒である。
いくら目的の為とはいえ、いずれ全て無に帰す連中をあやすのは何とも苛立たしい。
ようやくにアンドラスが引き下がってくれたかと思ったら、次はついて来なくてもいい荷物が煩い。

「作戦だと?面白い、聞かせてもらおうではないか。」

とりあえずさっき概要は聞いたが、具体的な部分までは言及されていなかった。
腕を組みながら見つめてくる不愉快な武人の虚勢を見つめる蛇眼。
そのまま睨んでいたら噛み殺してしまいそうで、そっと黄金を笑みに隠す。

「今から私の暗黒魔術でこの森全体に幻影を作り出し、それで彼らを分断する・・・ってのはどうでしょう?
 いやぁ、暗黒司祭らしくて良い案だと思うんですけど、どうです?」

楽しそうに、そしてあっさりと言ってのけた作戦内容にセインは目を点にした。
どうです?とか聞かれても、出来たらそれは中々面白い案だとは思うのだが、
ここはカレワラ森、魔女達のテリトリーであり、その魔力に包まれた暗黒魔境である。

「カレワラ森に幻影だと?ここは魔女達が常に幻影を映す場所、それを知らないはずがあるまい。」

かつて魔女たちと戦争を起した際、彼女達の魔力に甚大な被害が出たと歴史書は語っている。
森を包んでいるのは、帝国が総力を挙げてようやく押さえ込むことが出来るほどの魔力が創り上げている幻術だ。
それをこんな司祭一人が退ける事など出来るはずがなく、セインは壮大な作戦を笑い飛ばした。

「やだなぁ、もう。じょーだんカンベンしてくださいよ。
 奴らの魔力なんて三流道化以下のレベルじゃないですか。そんなのと同じレベルでいたら仕事になりませんって。」

ところが、嘲笑を更に跳ね除けるようにケラケラ笑い出すマヴガフ。
帝国を苦しめた者達を三流以下と評価してまで信用させようとはさすがに誇大宣伝だ。
ばかばかしいと鼻で笑うセインだが、帽子の下からぎらりと黄金が光って突き刺してきた。

「それよりご自身の心配を為されたほうがよろしいのでは?
 私の幻影に取り込まれてはぐれて泣いても知りませんよ?フフフ・・・。」

どこまでも見下した物言いに牙隠しきれないセインだが、ぐっと抑える。
どの程度の腕なのかすぐに分かる事。ツンと顔を背けたセインに柔和な笑みを浮かべると
マヴガフは背を向けて、腰にしっかり固定してあった漆黒の魔道書を大事そうに手に取り、
その表紙をなぞって口元を釣り上げた。触れた感じ、いい具合に仕上がってきている。

「な・・・こ、この感覚は・・・・うぅ・・・っ。」

何やら怪しい呪文を唱えだすマヴガフ。途端、彼は紫焔に包まれたかと思うと
漆黒の魔道書からどくどくと何かがあふれ出して地面へと零れ落ち、目が生まれた影たちは
まるで蛇のように地面を這って四方へと駈け、彼らが這い上がってきた途端アンドラスが瞠目してうずくまった。

「大丈夫か!アンドラス!マヴガフ大司教、やめるんだ!」
「偉大なるハデス神の御名のもと、罪深き者達を裁きの幻へと誘い給え・・・。」

セインの叫びなどまるでお構い無しに、マヴガフは不敵に口元を釣り上げながらマナを膨らませていく。
彼とマナを連結させた漆黒の魔道書から溢れ出す暗黒の邪蛇たちの数は増える一方。
地を這い、木を登り、そして天を包んだ邪蛇たちによって、あたりの景色はあっという間に歪んで
禍々しいマナに今にも頭が割れそうで、アンドラスは悲鳴を上げることさえ出来ずにその場に倒れこんだ。


「ここまで来ればさすがにアルトシャンたちも追いかけてこられないだろ。」

一方、ゲイル達はカレワラ森に足を踏み入れてほっと安堵をもらしていた。
普通ならカレワラ森なんかどれだけ追い詰められても選択肢にはならないが
魔女達とは2年前の旅で知り合いとなっている。この時ほど友の存在がありがたいと思ったこともない。

「この森は魔女たちに守られているからな。ヘタに足を踏み入れれば二度と出られないぜ。」

きっと迷っても魔女達は呼べば助けに来てくれる、そうレイは信じていた。
つっけんどんな魔女だが、根はいい奴だ。だが、不安がないのはゲイルとレイだけのようだ。
無理もない、カレワラの魔女と交友があるのはこの中ではレイだけなのだから。

「でも、それって私たちも同じことが言えるのよね。さっきから同じところを歩いている気がするわ。」

もちろんエルピスには魔女達が幻術で自分達の感覚を奪っている事は分かっていた。
だがそれでも、幾重に張り巡らされた幻術を暴く事は中々難しいこと。
丁寧に辺りを見つめ、真か嘘かを見定めて歩いているつもりだが、見えない出口は不安を膨らませる。

「こともあろうにカレワラ森に逃げ込むことになろうとはな。魔女たちに気付かれなければいいが。」

もはやアスク帝国の人間ではないが、やはり帝国として敵対していた相手だけに
その者のテリトリーの中を歩かされるというのは心地の良いものではない。
刀を抜いたまま歩くメルトの鷹のように鋭い眼光も、この闇の中ではまるで先を見通せず焦りが募る。

「魔女さんたちは大丈夫だよ、レイさんのお友達だもんね。」
「そうそう!オレ様、強気なおねーさまも大好きなのよ。」

ドンと力強く胸を叩いて、大船に乗ったつもりでいてくれと鼻を高くするレイ。
だが、その場の誰も彼の自信に安堵の表情を見せる事はなく、
それどころかメルトは怪訝そうな眼差しで見つめだし、エルピスに至ってはチャラい言葉に牙を立てるものだから
レイは堪らずに飛び上がってシャニーの後ろに隠れてしまった。

「でも、何だか背中がゾクゾクするような・・・。」
「あなたはオバケとか苦手だもんね。ははっ、ホント子供っぽい・・・。」

レイに肩をしっかりと掴まれたせいなのだろうか、突然背中に走る悪寒。
不安そうに辺りをきょろきょろと見渡しだし、木の幹に浮かび上がる顔と目が会うと
シャニーは目を白黒させてゲイルにしがみつく。盗賊のクセに情けない姿をエルピスが笑い出した、その時だった。

「?!」
「うぅ?!かはっ・・・な、何このマナ・・・!」

彼女が異変に気付いたときにはもう遅かった。突然稲光のようなスピードで黒い蛇が這ってきたかと思うと
全身が金縛りを受けたかのように硬直して動けなくなった。噴きだす脂汗。
隣ではシャニーが膝を突き、飛び出しそうなほどに目を見開いて声にならない悲鳴を上げている。

「大丈夫かシャニー!おい、しっかりしろ、おい!」

突然倒れこんでしまった二人に、ゲイル達は右往左往するばかり。
彼らには特段何の変化もないのに、彼女達だけが突然苦しみだしたのである。
とっさにレイが二人を診察し始めるが、どこも異常はなく顔をしかめるばかり。

「エルピスのお姉様まで一体何があったんだ!」

うつ伏せに倒れこんだまま、今にも血でも吐きそうなほど余裕なく見開かれた目は地面を見つめている。
シャニーはとても喋れる状態ではなく、背中をさするゲイルに彼女を任せ
レイはエルピスを介抱しながら話しかける。蒼白で色のない瞳は放っておいたら気を失ってしまいそうだ。

「分からない・・・・分からないけどこのマナは間違いなく・・・ぐうう・・・っ。」

自身のマナの流れを引き裂くように逆流して体を侵食してくる恐ろしいマナ。
このマナを忘れるはずがない。これは間違いなくハデスのもの。
必死に精神を集中させて自身のマナの流れを強めようとも、せせら笑うかのように砕いてくる。

「体が・・・押し潰されそう!うああああ!」

どくどくと流し込まれるマナは、猛毒のように体を中から侵して来る。
自身のマナを追い出してやろうと意志を持っているかのように流れを破壊してなだれ込んでくるマナに
今にも体が破裂してしまいそうで、シャニーは目を限界まで見開いて悲鳴を上げた。
相棒が今まで見せた事のない断末魔の叫びと表情にゲイルはどうすることもできず背中をさするばかり。

「ゲイル、陣を固めろ。理由は分からんが、何者かに我らの位置を特定されている。」

一行の先頭を歩き、刀を握りなおしたメルトをあざ笑うかのように、
周りの景色がまるでしずくが落ちた泉のように波打って揺れている。
明らかに何者かが仕掛けた罠にはまったことを伝えてくる異様な光景に、誰もが息を飲んだ。

「しっかりしろシャニー!絶対に手を放すんじゃないぞ!」

この場でこのままでいるのは良くない。辛そうなのは承知の上で、ゲイルは相棒の腕を引っ張った。
彼女も分かっているのか、蒼白な顔のまま立ち上がると体がバラバラになりそうな痛みに耐えて歩き出す。
そんな彼女を再び地に沈めようと、這寄る蛇の数は既に数え切れず地を黒く埋め尽くしていた。

「随分おっかねえことするじゃねーかよ。だったらオレ様の出番だぜ!」

禍々しいマナが周りを包み込み、ゲイルがシャニーを抱きしめる。
エルピスも顔をしかめてふらつく今、まともに動けるのはメルトとレイだけだ。
そんな中、レイは陣の中心に立つと杖を地面へと突き刺して神への祈りを唱えだした。
見る見るうちに光が地の黒を溶かすように広がっていく。

「でかしたぜレイ!よし、このまま一気にこの妙な空間を抜けるぞ!」

イア信教の司祭であるレイ。イアの加護を受けたものだけに扱える退魔の魔法、
ホーリーディメンジョンを唱えて結界を作り出したのである。
未だシャニーたちの顔から良くない汗は退かないが、これを逃すかと駈けだすゲイル。

「あれ・・・ゲイルがどうしてあんなに遠くに見えるの・・・?傍にいるよね、私・・・。手、繋いでるよね・・・?」

シャニーも一緒にゲイルと共に駈けているはずだった。
だが、どうしてこんなにもゲイルの気が遠く感じられるのだろうか。
見上げてみれば確かに真横にゲイルがいて、見下ろせばしっかり手を握りしめてくれている・・・はずだった。

「?!ゲ、ゲイル?!」

握りしめてくれる手に感触がなく、怖くなって強く握りなおした時だった。
何と彼の手がすうっと闇の中に溶けていくではないか。堪らず名を呼ぶが答える声はない。

「ねえゲイル!ゲイル!ゲイルー!」

仰天して彼にしがみつこうとすれば、今度は何と彼の姿自体がすっと逃げるように消えてしまったではないか。
いや、違う。前を見上げれば何ということだろう、あんな先にいるではないか。
彼だけがどんどん先へと駈けて行ってしまい、みるみる姿が小さくなっていく。
必死に叫んで手を伸ばしても振り返ってくれることは無く、
孤立した彼女はまるで闇に飲み込まれるかのようにその姿を消した。

「大分気味のわりいマナが薄らいできたな。もう少しだから辛抱しろよ、シャニー。」

シャニーの身に起きたことなどまるで気付いていないゲイルは、
今も腕の中にしっかりと彼女を抱きかかえながら森を抜けようと先を急いでいた。
あれだけ苦しそうにしていたエルピスも元気になり、未だに顔の蒼いシャニーを励ます。

「待て。シャニー、お前大丈夫なのか?顔色が戻らないが。」

だが、いつまで経っても戻ってこない血色にさすがに違和感を覚えはじめる。
声をかけても反応がないし、ついにメルトがシャニーの目を見て声をかけてみる。
やっぱり無反応で、エルピスが首をかしげながら屈み込んだ。

「ヘンね・・・。私がもう大丈夫ってことはこの子だってもうマナの呪縛からは・・・?!」

彼女の前で手を振ってみてもまるで目線はピクリとも動かず。
眉間にシワを寄せたエルピスが妹分の額に手を置こうと腕を伸ばした途端だった。
何とすうっと彼女の体を手が突き抜けて、闇に溶けるようにシャニーが消えてしまったではないか。

「シャニー!おい、待ってくれシャニー!シャニー!!」

何かに吸い込まれるように闇の奥へと消えていくシャニーを追って駆け出すゲイル。
そんな彼を嘲笑うかのように加速する幻は、あっという間に木々の向こうに見えなくなってしまう。
思わず彼女へと伸ばされた手が、絶望に硬直して時が止まっていた。

「うそ・・・だろ?シャニーが・・・いなくなっちまった?シャニー!おいシャニー!どこにいる!!」

いつものあの朗らかな笑顔が傍にない、それだけでゲイルは取り乱して辺りを走り回る。
振り向いても、茂みを掻き分けてみても姿はない。名を叫んでも返る声もない。
彼の焦りを嘲るように、歪んでいた周りの景色が徐々に元を取り戻し始めている。

「しまった!!敵の幻術だったのか!まずいぞゲイル、引き返すぞ!」

景色だけではなく、まさか腕の中にしっかりゲイルが抱きしめていたシャニーまでもが、
幻術でいつの間にかすりかえられていたのである。振り返ってみてもそこに見えるのは闇だけ。
焦ってゲイルと共に駆け出すメルト。この暗黒の森ではぐれたらそれは死を意味する。

「決まってる!何が何でも探し出してやるぞ、待ってろ!」

メルトを追い越し、先を急ぐゲイルはあの笑顔だけを思い描いて広がる闇に目を凝らす。
元来た道を戻れば、必ず彼女はいるはず。そう、今走っている道を歩いてきたのならば。
彼らは幻術に包まれている間に、マヴガフに転移術をかけられていたことなど知る由もない。


「よぉし・・・作戦は成功ですよ。後はアナタ達の出番ってわけです。精々がんばってくださいよ。
 シャニーはここから8時の方向、残りの連中は6時の方向です。」

黒き邪蛇が溢れ出していた漆黒の魔道書からのマナの放出が止み、
波動を受けて逆立っていたマヴガフの髪の毛も元通りになると、
彼は腰に魔道書をしっかりと固定すると傍に落ちていた帽子を拾い、アンドラスに指差して獲物の居場所を教えてやった。

「シャニー、ついに縁に決着をつけられるな。待っていろ!!」

まるで鎖を外された野獣のように目の色を変えるアンドラス。
彼女は剣を引き抜くと、暗黒の森へ何の躊躇いも物怖じもすることもなく駆け出して行った。
ハンカチを振って健闘を祈り見送るマヴガフは実に楽しそうである。

「貴殿は一体どうするつもりなのだ、マヴガフ大司教。」

彼女の姿がすっかりと消えると、今度はセインにも同様に指さして先を急がせ始める。
もちろんこのために来たのだからゲイルの下へ赴くが、どうにも彼には引っかかっていた。
マヴガフは何かを企んでいるに違いない。彼が帝国のために動くとは考えられないではないか。

「次の行動へ移りますよ。アナタ達の肝試しをもう少し見ていたいんですが、いやぁ残念、残念!
 総統から表には出るなと釘付けされていますからねェ、アナタ達には期待していますよ、フフフ・・・。」

恩着せがましいことを口にしてくるあたりがやはり妙に胡散臭い。
いつもどれだけ警告しようとも街中をふらふら歩き回っては不正通貨をばら撒いているような男が、
この期に及んで総統の命令などを理由に行動を控えるなどあるものか。次の行動・・・それが妙に気にかかる。

「・・・事が済めば、次裁かれるのは貴殿だ。覚悟しておく事だな!」

ゲイルを始末し、シャニーを救い出したら必ずやマヴガフの陰謀を打ち砕く。
そう宣言して柔和な笑みに強く警告して指差すと、セインもまた闇へと消えていった。
一応、それもハンカチを振って送り出してやるが、その口元は相変わらず笑っていた。

「クククッ・・・愚か者は何をさせても喜劇になりますねえ。
 事が済めば、すっぱり糸を切られるとも知らずに先を目指してもがく姿!いやぁ堪りませんネェ、ヒヒヒッ。」

あんな雑魚は放っておいても死ぬだろうが、特別に目をかけてやることにした。
全てが済んだら、皮をひん剥いて部屋にでも飾ってやろうか。
だが、当分先の話になるだろう。まずは一番に皮を引ん剥いてやりたい大親友に会うべく、彼もまた歩き出すのであった。
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