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「ChaosTrigger~天神復活と破滅の魔道書~」
Chapter21 さまよう魂

7話:深淵の入口

 ←6話:生まれてきた意味 →8話:神の審判
 同刻、マヴガフはルアス城の一室にいた。ティーポットを高く掲げて流れ落ちる芳醇をカップに受ける。
それだけで周りには素晴しい香りが広がっていく。

「うーん、いい香りですネェ~。これだけは新しい世界でも大切にしないとネェ。」

淹れたての茶から放たれる素晴しい香りに鼻を楽しませるマヴガフは一口すると大きな快楽を吐き出す。
これだけ見ていれば普通の紳士だが、彼の黄金の目が開かれると、その視線は魔信機を捉える。

「あ~もしもし~?五賢陣のマヴガフです。ルネア最高司法官に繋いでください。」

手早く番号を回すと、いつもの柔和な語り口調で受付を取り付かせる。
やや保留の時間が長いが、良い香りの茶があれば苛立ちもしない。

「ルネアだ。何用だ?」

相変わらずのぶっきらぼうな言葉が帰ってきた。
だが、そんなのは慣れたこと。むしろちゃんと魔信に出たことだけでも十分だ。

「ヨォ?久しぶりじゃねーか?」

受付嬢にかけた口調とはまるで違う、あからさまな悪人の声は楽しげだ。
どうやらルネアは受付の教えたマヴガフという名前にはピンと来ていなかったらしく、その声でようやく把握したようだ。

「フェンネルか。その様子だと、うまく行っているようだな。」

長年の付き合いだ。口調で今の感情がこれほど分かりやすい男もそうはいない。
狡猾ながらすぐに感情が表に出る様は昔と何も変わっていない。例えそれが化身であろうとも。

「おーおー、なかなかいい感じだぜ?ダイモニオン・エムブレムの機能も上々ってとこだ。」

予想に反することなく、マヴガフからは調子のよいどこか気味が悪い笑いが腹から漏れ出している。
これならまだ様子見を続けていても問題はなさそうだが、それはそれでルネアには興味があることだった。

「そうか。しかし、まさかダイモニオン・エムブレムの鍵が全て地上に存在するとはな。」

今でも納得できないらしく、ルネアの口調はどこか懐疑的だった。
魔信の向こうで、いつも通り顎に手を当てて考えに耽る姿が易々と創造できる。

「封印を解く鍵はリヒネにある。そうテメェは読んでいた。だが・・・そこに攻め込むには準備が必要だ。
強力なあの結界を破壊できるのは、エルピスのアストレアくらいだもんな。」

善と悪が袂を分けた時に善神達によってハデスもろとも封印された悪神界の理を司る最強の魔道書。
用心深い善神共だ。その封印の鍵は間違いなく手元から手放すはずがない、そうルネアは読んでいた。
その為に、今までさまざまな行動をしかけてきた。このハデスの化身と共に。

「それを手に入れるまではまぁ筋書き通りだったな。」

初代エルピスを絶望させ、その力の矛先を善神達へと向けさせた。
だが、彼女はまさか人間達に唆されて権能を継承してしまった。だが、都合がいい。
人間という不完全な者ならいくらでも素材を入手できる。計画通り従順な光を生み出した・・・ところまでよかった。

「だが、あんたの仮説はあっさり否定された。」

生まれた光をどうやって善神界の守りを突破する剣と生まれ変わらせるか検討していたときだ。
なんとマヴガフが見つけてしまったのである。魔道書の封印を解く結界を、この下界で。

「まさかまさか、あんたがまるで興味を示さなかった下界そのものに鍵が落ちてたとはナァ?ヒヒ・・・ヒヒヒ・・・。」

自分の手柄を主張したいのだろうか。嘲り笑うヘラヘラとした笑いが魔信越しに神経を逆撫でて来る。
ルネアは興味があるものに対しては細心の思慮を払い、いかなる手段を使おうとも実行する男だ。
ただし、興味がないものに対してはまさにゴミ同然の扱いでまるで歯牙にもかけない極端さがある。
共通していることは、情と言う情などまるで無く、全てモノ扱いであるということか。
全てを手がけてきた彼にとっては、当然の事なのかもしれないが。

「今でも信じられん。このような不完全な場所に鍵を隠すとは。奴らの意図を量りかねる。」

善神達が一方的に契約を破棄し、善神だけの会議でハデス封印を決めた。
その意図は恐らく、均衡自体が悪側に偏ることを恐れたからだ。
圧倒的に進化していたダイモニオン・エムブレムとその使い手を封じて善主導の世界を創るため・・・。
ならば、なぜ封印の鍵をわざわざ下界に?いや、それはそれで別の仮説が立つ。
つまりは、善神もそこまで愚かではなかったという事だ。

「ま、でもこれが真実だ。」

ルネアでさえまるで気付けず見落としていた事実が、人間によって改変された予知とは違う世界の時を刻んでいる。
思索を巡らせるルネアとは対照的に、マヴガフの口元は愉快に釣り上がっている。
ワクワクするではないか、ゾクゾクするではないか。

「真理の探究者としちゃあ・・・見ておかないとナァ?見当違いなところにあった真理ってヤツを。」
「・・・何が言いたい?」

別に彼の言い方に腹を立てたわけではない。単純に興味があるだけだ。
マヴガフがこういう言い方をするということは、裏に何か掴んでいるに決まっている。

「いんや?特にねェよ。それより、そっちはちゃんと情報を掴んでいるのか?」

絶対に何かを掴んではいる。だが、この男はそれをすぐに口にしようとはしない。
それが、人間に絶望をより与える最大の機会をうかがう彼なりの手法だと気付くのに1000年かかった。
楽しんでいるのだ、この男は。すでに真理が固まり、何も未知がない場所とは違うこの下界を。
それはルネアも同じではあるが、決定的に違うのは他人に興味などないことだ。

「情報収集はお前の仕事のはずだ。私には私のやるべきことがある。仕事を回すな。」

己が未だ届かない道を探求する事だけが、ルネアの行動源であり、他が要因となって動くことはないし、それは無意味だ。
「ちっ、上から目線かよ、気にいらねえな。」そっけない態度自体はもう何千年もの付き合いだ、マヴガフだって十分に分かっている。
だが、その数千年を経ても納得できないのは、ルネアの高圧的な態度だった。

「俺様とテメェは対等なはずだろうが。」

もう何度このセリフを吐き捨ててやったことだろうか。今回も反応は同じだった。
無反応。魔信機の向こうで一体どんな顔をしているのか見てやりたいくらいだ。

「こいつがアンドラス、封印の鍵だ。」

だがいつまでも無言でもつまらない。今回もいつも通り仕入れた情報を流してやる。
マヴガフから送られてきた画像をローブの中からじっと見下ろす眼差しは微動だにしないが、
ルネアの反応などお構い無しに、マヴガフは悪意の悦をたっぷり含んだ声で続ける。

「面白れえだろ?ダイモニオン・エムブレムを開放する鍵がエルピスの血だったとはヨォ。」

リヒネを攻める必要はなくなったが、エルピスの血を残しておいて正解だった。
エルピスが今でも自分達の手中にあると善神達は思い込んでいるだろうが、もうすでに予知はこの世界に通用しない。
彼らが創り上げた嘘を映す鏡に囲まれた楽園、それを破壊する弓矢と生まれ変わったのだ。
粛清の光、そして暗黒の魔道書。一体これから何が起こるか想像するだけで笑いが止まらない。

「何だよ、反応薄いじゃねえか?」

だがここまで来て、笑っているのが自分だけだと気付くマヴガフ。
少しは何か言ってみろと催促してやると、ルネアからは乾いた声が返ってくる。

「私はダイモニオン・エムブレムに興味などない。そのようなものは新たな理を引けば意味を成さない。」

既に完成し、未知のないものを追ったところで価値など無い。
欲しいものは未知だけだ。すでに3000年前に自分達で構築した理に一体どんな未知がある?
それどころか、これからこの男が目指す新たな世界では、新たな理が必要になるというのに。

「創り成せば良いってか?ったく、テメェもつくづく合理的な野郎だ。」

どうにもつまらない相手だ。どうせルネアの眼は既に新たな世界の理に向いているのだろう。
しかしそれにはまず、今をどうにかしなければならないとどうして分からないのか。

「それよりも今日どこかで会えないか?話がある。」

ルネアの視線がローブの中からようやく動いた。やはり何か掴んでいるようだ。
ここまでたどり着くのに優に10分は時間を無駄にした。

「内容は?」
「まぁまぁ急かすなよ。その時になってからのお楽しみってのも大事だろ?」

まだ無駄にさせようというのか。マヴガフは魔信での明言を避けた。
面白くなさそうにため息を鼻から抜いてやるが、彼は自分のペースを崩すことなく一方的に話を続けてきた。

「んじゃ、2時にテメェの研究室に行くぜ。創っていく世界のこともそこで話そうぜ。」

時計に目をやる。まだ30分はある。確かに2時まで行けば不夜城ルアスも少し落ち着くが
どうせ司法院のある街の南東地区などこの時間でも誰もいないというのに、こういうところはやたら警戒心が強い。

「そうだ、もう目の前に来ている。手遅れだ!手遅れ!」

手を伸ばせば届く距離まで開けてきた新世界の憧憬に、マヴガフは黄金の蛇眼を見開ききって興奮を顕にすると
「俺様を止めてみろや!シャス!!!ヒヒ・・・ヒャハハハ!」暗黒に染まる空を哄笑で突き刺し、全てを飲み込んでやろうかという勢いは善への宣戦布告か。
ようやくに、憎き善との縁も終わりを告げる。その悦が割れに割れた音量でルネアに耳にかじりついてきて
彼はこれ以上付き合いきれなくなってそっと魔信機の電源を落とす。

「・・・あの男・・・。まだそんなことにも気付けていないのか。」

なんとも愚かな男、ルネアにはそうとしか映っていなかった。
今に始まったことではないが、どうしてもっと手早くすべき事を果たせないのか。
ローブの中から、ルネアはじっと時計を見下ろす。始動には・・・まだ少し時間が必要なようだ。
もうしばらく観測の必要がある。彼は席を立つと静かに部屋を出て行った。


 待ち合わせまでの30分で用事を済ませてきたルネアは周りの暗さに手先に光を召喚した。
まったく、下界というのはどうにも不便なものだ。いちいちマナを使わなければならない。
だが、恐らくこういう陰鬱の多さは地を這う蛇にとってはとても居心地が良いのだろう。

「私の研究所に忍び込むとは・・・。」

何か気配がすると思えば、やはりそこにはマヴガフが先に到着してニチャニチャとした笑みを浮かべていた。
厳重に張り巡らせたセキュリティをかいくぐるとは、さすが蛇と言ったところか。

「あー?仕方ねえよ。俺様はハデス、神なんだからな。」

さも当然と言った感じ手のひらを広げてニヤッと笑うマヴガフ。
既にダイモニオン・エムブレムの完全開放も間近で、彼の口調もいよいよと言った興奮を隠せないらしい。

「・・・私もまだまだ未熟と言う事か。」

ローブの奥のメガネに手をやり、無念そうに首をかしげるルネア。
まだまだ、自分にも無明は多い。3000年経っても、未だ未熟を感じることは多々あるが、その対象があろうことか彼だとは。
「それで、話とは何だ。」これほど騒がしく話をしていて疲れる相手もいない。
エルピスも幼きころは喧しい娘だったが、この男もなかなかに煩い。さっさと話を済ませたかった。

「わざわざお前が私を呼ぶとは、平常とは思えん。」

何より自分本位の男が他人を呼ぶときなど、利用したいと思うときだけだ。
それを悪いとは思わない、自分だってそうするだろうから。

「ま、テメェが興味がないって言うダイモニオン・エムブレムのことなんだがな。」

自分と彼で違うのは、事実をもったいぶらずに話すかどうかである。
時間の無駄だと何度言っても、この男は愉快を見出そうとする。

「結果が見えているものなど話題にするまでもない。」

あの魔信の段階で内容を話してさえいれば、ここまで赴くまでもなかったものを。
大きくため息を吐き出したルネアはローブを翻して早速帰ろうとしている。

「テメェはいつもそうだ。創るだけ、それで終わりだ。創った物なんぞまるで興味がねえ。」

だが、その足をマヴガフはしっかりと影縫いでもするかのように止めさせた。
ルネアはとにかく見切りをつけるのが早すぎるのだ。何もないつまらないものなら、呼んだりはしない。
この自分でさえ手を焼く危険な男など。

「終わったものには未知はない。知るべきこともない対象に時間を使うのは惜しい。」

いつも通りのまるで録音でもしてあるかのような答えが返ってくるが、
マヴガフはにっと口元を釣り上げると、帽子の下から黄金の蛇眼でルネアを見据える。

「そ、俺達が設計して創り上げた魔道書だからナァ。俺様達が全て知っている。」

神界創造時に、善神達のリヒネ・アルマンデルと対として創り上げられた悪神界の理を司る魔道書。
それを創り上げたのはもちろん悪神達だ。設計者ゆえに、その全貌、そして扱いを知っているのは当然だ。
「・・・はずだよな?」だが、その時だ。帽子の下から黄金が光った。
真理の探究者を名乗るくせに、何も分かっていない。

「ところが、だ。もしこのダイモニオン・エムブレムにまだ未知があるとしたら?」

封印から目覚めて、力を封印された魔道書と共に今まで虎視眈々機会をうかがってきた。
少しずつ封印を開放し、見えてきた新たな真実。ルネアはその経緯を全てすっ飛ばして結果だけを知りたがる。
だからこそ見えないのだ。本当の真実と言うものが。

「既に数千年前に完成した魔道書に未知だと?」

ついに振り向くルネア。未知と聞いては見過ごすわけには行かない。
映った視界の先には黄金の蛇眼と、その手に握られた黒き聖書があった。

「そう。いや、確かに数千年前は完成していた。だが、よ、これが面白れえことになってんだよ、ヒヒヒッ!」

完成させたつもり、いや、あの時は確かに完成していた。
だからこそ、不完全なリヒネ・アルマンデルとバランスをとれずに悪神界に均衡が傾き続けた。
それが、あの忌々しい事件の引き金となった。だが今それ以上のことが起きようとしている。

「もったいぶらずに話せ、時間の無駄だ。」

闇に滴る狂気の哄笑をルネアはあっさりと斬り捨てた。必要なものは、結論だけ。
まるで話に乗ってこようとしない彼にマヴガフは不愉快そうに舌打した。
「ったく、テメェは楽しむってことを知らねえな。」これだけ固く生きていたら肩が凝らないかと思ってしまうが
ローブの中の表情は見えずとも一切変わっていないことが分かる。
観測と実験を繰り返し続けてきたせいで、どうやら全てが事象としてしか映らなくなっているらしい。
「ま、いいわ、楽しみはこれからってな。」ようやく本題に入れて、ルネアのため息も止まる。

「よぉく聞けや。この魔道書は進化してんだよ。」

ぐいっと持ち上げた黒き聖書を指差して、細い蛇眼を見開いて愉快そうに口元を釣り上げる。

「俺様達の知らないうちに新たなページを追加してやがる!」

ばっと魔道書を開くと、触れもせずに彼の意志でどんどんめくられていくページ。
マナがマヴガフとリンクし、紫紺に輝く魔道書の最後には見たこともないインデックスが追加されていた。
だが、その先にページが進むことはなくどれだけマヴガフのスーツがマナの波動に靡こうとも微動だにしない。

「何・・・?魔道書が進化だと?」

思いにもよらない事実にルネアが一歩マヴガフへ・・・いや黒の聖書へと歩み寄る。
確かにそこには、設計にはないはずのインデックスが数個追加されている。

「俺様も最初は疑った。だがな、どうにも鍵の開放だけじゃこの魔道書は全てを開放しそうにねえんだ。」

疑い、かつての設計を見直したりもしてみた。だが、やはりこれは見たこともない代物。
おまけにどれだけマナを送り込んでも、その部分はそれを拒むかのように頑なに開こうとしはい。
持ち主の命に背くとはいい度胸だが、それが逆におもしろい。

「ヘッヘ・・・ヒハハハ、楽しみじゃねーか。俺様達も分からないトンデモねえ力が眠ってんだぜ!」

絶対にこの力を解放し、我が物としてくれる。渇望する心がマヴガフの目を野心に見開かせた。
ぎらつく眼光が口以上に狂喜を叫び、彼は解放された力をイメージして天を哄笑で引き裂く。

「その力を展開して俺様が権能を解放してみろ、神界なんぞぐちゃぐちゃにできんぜ!!」

裏切り者の善神共が今ものうのうと支配者として居座る天上界。
連中の存在を許し、のらりくらりやっているほかの悪神共も同罪だ。
力を解放した暁には、この世界は全て無に帰す。残った絶望が新たな世界の理となるのである。

「で、お前は既にその新たなトリガーを見つけたのか。」

どうしてこうも現実しか見ないのだろうか。悦に浴びせられた冷や水に舌打する。
未来を語らず、過去を見ず、結果だけを求める男の口調は平たいままだ。

「見つけてたらテメェのトコなんか来ねえっつうの。」

苛立ちを顕にしながら魔道書とのマナのリンクを切り、ぽんといい音を立てて閉じる。

「テメェの周りには諜報機関より情報が多く入ってくるだろ、ちょっとその筋当たってくれねえか?」

ルネアが所属しているのはルアスの司法院だ。
刑民さまざまな情報が管理されているその場所の最高官ならば、全てを知る事が出来る。
「なるほどな。私も・・・未知には興味がある。」いつもはそっけない態度のルネアも、目の前にちらつかされた未知を前にようやく感情が動く。

「自己展開し、トリガーを生成するとはなかなか面白い。」

その視線はマヴガフが手にする黒き聖書だけに注がれており、新たな真実を探求しようとすでにあれこれと理論が頭の中を駆け巡っていた。

「テメェは未知を探求し、俺様は進化したコイツを展開して神界をぶっ潰す!互恵の精神ってヤツよ。」

未知を追い続ける探求者と、既存を否定し、抹殺しようとする破壊の衝動。
探求者は衝動に道具を与え、破壊者は探求者へ未知を提供する。
まさに二人にとっては渡りに船の間柄である。

「んーじゃ、頼んだぜ。俺様ももう一仕事残ってるんでな。」

用件だけ一方的に話すと、マヴガフは記憶の書を使ってその場からあっという間に消え去ってしまった。
静寂に包まれた暗い研究室の中に一人残されたルネアはふと隣室へと入る。

「フェンネル・・・。お前ではその魔道書は使いこなすことはできまい。だが・・・、」

その部屋には、部屋一面に描かれた巨大な絵柄が陣取っていた。
まるで血で描かれたかのように真っ赤に染まった部屋にマナを注げば、浮かび上がる魔法陣。
この光こそが、新たな興味と世界を生む力を呼び覚ます。もう少し、もう少しだ。
それまでは・・・あの男にがんばってもらわなければならない。

「だが・・・その執念は興味がある。」
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