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 ←12話:親子の絆 →2話:闇を喰らう蛇
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「ChaosTrigger~天神復活と破滅の魔道書~」
Chapter22 存在価値

1話:紅涙の決闘状

 ←12話:親子の絆 →2話:闇を喰らう蛇
 じりじりとろうそくが静かに燃える室内。その中でひとり黙々と魔道書へと向かう騎士が一人。
彼女は魔道書を見ながら必死に転写を進め、内容を覚えようと打ち込んでいる。

「全てが順調に進んでいるわ。いよいよなのね。」

だが、その頭の中は別のことを常に考えていた。
この魔道書の転写もまた、そんな浮かんでくる煩わしい焦りを払う為の一環なのだが、
どうにも効果があまり無いらしく、彼女は羽根ペンを置くと大きく伸びをした。

「怖くなんて無いわ。私は民の為の剣、今まで良くしてもらった分恩返ししなくちゃ。」

作戦の決行日は刻一刻と近づいている。準備にはぬかりはない。
ふと、外の音に気付いて立ち上がり、窓辺に立てばこの時間にしては空が暗い。

「後は・・・どうやって彼女を連れてくるかね・・・。」

鉛色の曇天からは早春の気まぐれが降り注ぎ、それはすぐに桶を返したかのように激しくなって
まるで矢が降り注いでいるかのようにしっかりと眼で雨粒が見えるほどになった。
見えなくなっていく視界。まるでアンドラスの悩みを示すかのようだ。
「?!こ、このマナは!」その時だった。ふいにアンドラスの脳裏に何かが走る。
身に覚えのあるマナを北東の方向に一瞬だけ感じ取ったのだ。駆け出した彼女は部屋を飛び出した。

「そんな、こんな早く・・・でも間違いないわ。」

廊下を抜け、城の最上階まで駆け抜けた彼女は雨に濡れることもお構い無しにテラスに飛び出して北東を見つめる。
やはり何も無い。鉛色が地平線まで続くだけ。だが・・・自分が間違えるはずが無い。
― ヒッヒッヒ・・・来ましたか・・・。
ぞくっとする視線。はっと振り向くがそこには誰もいない。
だが、間違いなくあの男も今のマナに気付いたに違いない。
― 楽しいショーの始まりです。クックック・・・。
この空のどこかから、あの黄金の蛇眼が見下ろしているような気がしてアンドラスは焦りを噛み砕く。

「あの人より何としても先に行動を起こさねば・・・。」

先手を打たれては作戦の全てが水の泡となってしまう。彼女は塗れた頭を拭くことも忘れテラスを後にすると、
自分の部屋へと駈け戻り剣を腰に挿す。そして机の上に放り出してあった魔道書を一冊手に取った。
― ウィザードゲート

「くっ、これしか方法が無いか。」

危険な行動だとは承知しているが躊躇いは無かった。
魔道書を広げ、マナを送り込む。「レイ、ごめんなさい。」
足元に浮かび上がった魔法陣が彼女をすっかり飲み込むと、部屋は静寂に包まれていた。

この時期の天候は不安定で、特に大陸の東側は突然の雨というのは茶飯事だ。
だが、そこで暮らしていれば洗濯物を焦って取り入れる程度で済むが旅人にとっては一苦労である。

「うへええ?!何なんだよこのスコールはよ!」

地面に打ち付けて飛沫が上がる中、視界もろくに確保できないスコールを浴びてゲイルが悲鳴を上げていた。
しっかりとした木陰に荷物を避難させるが、まるで意味がないことはずぶ濡れで色が変わった鞄が物語る。

「もーう!服がびしょぬれじゃない!これだから野宿は嫌なのよ!」

お気に入りの服がぬれてしまい、不機嫌を顕にしたエルピスが地団太を踏みかけてやめる。
もうすでに足元は沼地かというほどに水が浮き、流れが出来ている。
急いで傘を差すが、傘をさすと作業スピードは大幅に落ちて余計にイライラし始める。

「二人とも情けないなぁー。雨に打たれる中走るとキモチいーじゃん!」

そんな連中のよそに、ひとりテンションの高いシャニーだけが笑っていた。
彼女だってお気に入りのミニワンピを着ていたら同じように悲鳴を上げただろうが、
今日は潜入服だから、お構い無しに走り回っている。

「あいっかわらずガキっぽいこと言うよなあ、お前。」
「じゃりんこと一緒にしないでくれる?」

即効で二人から邪険される。ゲイルも普段ならシャニーが雨に濡れた時は期待するのだが、
今日は潜入服のため透けることもないからか口調が厳しい。
メルトに至ってはもう視界に入れることを避けているようにさえ見える。

「もう!こういう時だけ結託してさぁ!いつもはケンカばっかりなのに!」

ぶうっと頬を膨らせて肩を怒らして見せるが、もう二人とも見てさえいない。
とにかく少しでも早く雨から逃げたくて、せっせと野営の準備を進めて行く。

「つべこべ言っていないでさっさと野営の準備をしろ。」

ついにメルトからまで説教が飛んで来て、四面楚歌の彼女は降参するしかない。
文句でも言ってやろうと思ったが、「ルアスも近いのだ、私語は慎め。」とメルトから飛んできた追い討ちでそれも封じられた。
それでもなんだか悔しいので、彼女の目線はせっせと野宿の準備をする相棒の背中へ。

「仕方ないなぁ、ゲイルのために仕方なくこの熾天使様が屋根を創ってあげよう!」

あの夜以来、やたらと熾天使を名乗ることが増えた気がするが、どれもろくなことはない。
今回もどうせろくでもないと横目で流していたゲイルだが、
マナを使って作り出した幻術の屋根が目の前に現れて、彼もさすがに目を剥いた。

「おっ、こりゃ助かる!」

エルピスがゲイルを押しのけて先に屋根の下に入り、それを見たゲイルも荷物を屋根の下に移して、移して、
自身もその下で塗れた道具を拭きあげようと真ん中にどっかり座り込んだ途端だ。
「ってどあ?!」見事にゲイルが座った場所の土が崩れて、彼は穴の中に消えた。

「やーい!ひっかかった、ひっかかった!」
「あなた・・・バカね。」

白い歯をこれでもかと見せながら指をさして腹を抱えるシャニーの声が頭上から降り注ぐ。
端に手をかけてよじ登ると、そこにはエルピスの侮蔑の眼差し。

「お前ら!ハメやがったな!」
「フヒヒヒ!」

満面のしたり顔。このいかにもイタズラ好きという白い歯を見せた笑みを何としても反省させてやろうと、
彼は落とし穴から出てきた途端にシャニーを追いかけ始めた。
結局、土砂降りの中を駆け回る二人に、傍観を決め込んでいたメルトも頭が痛い。

「シャニー、そんなくだらないことにマナを使うな。敵に気付かれたらどうするつもりだ。」

やはり、父と再会して過去を清算できたことが彼女から影を消した気がする。
だが、元々太陽のような人間だ。そこから影をなくしたら、今度はこの有様である。
すぐに首根っこをとっつかまえる。猫のように丸まる背中。
ゲイルも一矢報いてやろうと、彼女の尻に照準を合わせた次の瞬間。

「うわああああ?!」

引っぱたいてやろうと振り出された手がビクッと止まって頭上を庇う。
世界の終わりかと思うほどの閃光が迸ったかと思うと、心の準備をする間もなく雷鳴が轟いたのだ。
今までも酷い雨模様だったが、ますます酷くなった気がする。
「ちょ、マジかよ、こりゃ結構土砂降りになりそうだな。」だが、皆の視線は空模様ではなく、声が聞こえた先に集まってた。
天を見上げて胸をさするゲイルがいたのは、シャニーの作った落とし穴の中。あの短い時間で逃げ込んでいたのだ。

「何あなた、カミナリでビビってんの?ははっ、ガタイいい癖にかわいいトコあるのねー?」

雨音を引き裂いて聞こえてくるのは、エルピスのケタケタとした嘲笑だった。
シャニーですら平然としているのに、この大男と来たら。
「うるせえ!」ケンカ友達に弱みを見せてしまい、火消しに走る。

「あんなのが脳天からぴしゃーんってなったらビリビリじゃ済まないだろ!」

故郷のサラセンでは、雷なんてものは見たことも聞いたこともなかった。
それがシャニーとの永住の地、ルケシオンでは茶飯事で、雷の度に部屋の隅で縮こまっていたものだ。
最初こそ相棒の態度にあっけにとられたシャニーも、今では風景の一部にしか見えていないらしい。

「あら、いつもあなたシャニーの怒りを買って脳天からビリビリになってるじゃない?」

彼女が乗ってこないので、エルピスが話を振る。
毎日とは言わないが、よくゲイルはシャニーにガミガミと叱られている。
8割、9割くらい彼が原因だが、叱られ終えた彼はいつも生気が抜けて白き灰になる。

「あんなヒステリックボムどころの話じゃないだろ!真っ黒こげだろ!」

相棒が傍にいると言うのに、平気でこんなことを言うから叱られるのに。
案の定、向こうでようやく食事の準備を始めていたシャニーが、まぁっと口を怒らせた。

「ゲイル!私が怒らないといけないのは誰のせいなの!反省して無いなら雷に代わってビリビリするぞ!」

包丁を置いた彼女は、手に弓を召喚してきたではないか。仰天するゲイルは思わず両手を挙げてしまう。
彼女のマナを受けても痺れるだけだが、だからこそあの行動はまんざらでもなく思えてしまう。
そこへ轟く追撃の雷。シャニーのシルエットが閃光の中にくっきり浮かび上がり、
ゲイルには粛清の熾天使としか映らなくて思わず屈みこんでしまった。

「はは、ガタイいいくせにかわいい子ね。」
「エルちゃん、エルちゃん。」

情けない悪友の姿を笑い飛ばしていたエルピスの表情が急に笑顔を隠す。
頭にささやきかけてくる声は間違いなく旦那のもの。
どうせまたあれがない、これがないと備品の置き場でも聞こうと言うのだろう。

「どうしたの、アリアン。火種はちゃんと消してから寝るのよ?歯磨き粉の替えは洗面台の下にあるわ。」

この会話一つとっても、普段支配権が妻にあることはうかがえる。
会話の相手がロオの右腕としてかつて天界に名を馳せた男とは到底思えない。
「おお、ちょうど聞きたかったんだ。」おまけにアリアンも嬉しそうに答え、そこに威厳なんてものはない。
この二人がかつて熾天使だったなんて、誰が信じるのだろうか。

「じゃなくて、寝るんだったら気をつけたほうがいい。」

洗面台にいきかけてアリアンは立ち止まると妻にもう一度警告を送る。

「どうしたの?また誰かが襲ってくるかもしれないの?」

旦那の声がいつもの間抜けたものではないことに気付いたエルピスは弄るのをやめた。
耳を瞬時に動かして周りの気配を探る。だが、この土砂降りでは全てが遮られた。

「そのとおりだよ。君達とそっくりなマナが近づいている。この前の双術騎士かもしれない。」

耳は使えずとも、マナの流れはしっかりと伝わってくる。
さすが元魔術師の神に仕えた天使か。マナを読む力はエルピスとは比べ物にならないらしい。
「なんですって?!」それを聞いた彼女はびっくりして辺りを見渡す。
今はその姿は見えないが、見えてからでは遅い。「みんな、アンドラスが近づいているらしいわ。気をつけて!」
大雨を劈く声を張り上げて仲間達に知らせれば、誰もが手を止める。

「な、なんだと?!あのやろう、まだやろうって言うのか!」

カレワラ森であれだけレイに説得されたはずなのに。
だが、分からないと言うのであれば熾天使の守護者として為すべきはひとつだけ。
ぐっと拳を握り締めたゲイルはシャニーの傍に駆け寄った。

「アリアン、アンドラスとの接触までに後どのくらい時間が残っている!」

まさかこんな夜に襲ってくるとは思ってもおらず、周りには荷物がまだ散乱している。
少しでも迎撃の体勢を整えようとシャニーは手早く荷物を払いながら、ゲイルの許へ。
その間にメルトは刀を抜き、ドラゴンスケイルの準備をしながらアリアンから情報を吸い上げる。
「残ってるって言うか、あ・・・。」アリアンがどう説明しようか考えている時だった。ふいに現れる魔法陣。

「時間の猶予など与えはしないぞ、鬼神殿!」

魔法陣から噴き上がる閃光が収まると、そこには軍服に身を包んだもう一人のシャニーがいた。
握り締めた剣をまっすぐにシャニーたちへと向けるその眼差しは鋭い。
こんな顔が自分にも出来るということなのか。蒼褪めるシャニー。

「ア、アンドラス・・・。くっ、どうしても戦うと言うの・・・。」

戦闘の準備はしたものの、いざ剣を向けられるとどうしても足元が退いてしまう。
未だに覚悟を決めずに逃げ腰な相手の態度に、アンドラスは目の前を剣で切り裂いた。

「お前は国賊、剣帝の右腕として見逃すはずが無いだろう。いつまでも逃げていられると思うなよ、シャニー!」

アンドラスの眼差しは、まっすぐに自分と同じシャニーの蒼い瞳で見つめてた。
だが、その視線はひそかに彼女の目から降ろされていき、左手へと向けられる。
やはり、今回も彼女は短剣を握ってはいなかった。ただ、祈るように胸元で結ばれているだけ。

「一体何をしに来たのだ?」

はちきれそうな緊張感。その均衡を破ったのはメルトだった。
「何を・・・とは?」鷹の眼差しが鋭く問うてきて、アンドラスもシャニーから視線を外すと睨み返す。

「まだ自分の手でシャニーを殺さずにおれず、部下も連れずに単騎突撃でもしに来たのか?」

その言葉には蔑みも含まれていたが、それ以上に行動への不可解を顕にしていた。
剣帝の右腕としての使命を果たすのであれば、部隊として挑むはずである。
ただ、己の名誉が欲しいだけか、復讐の念に駆られただけか・・・単騎の理由を探る。

「だったら手っ取り早い!4人で囲んでぼこって終わりだ!」

相変わらず血の気が多いゲイルが直情径行にシャニーの前に出ると拳を胸元に構えだす。
だが、後ろからすぐに引きとめられて、振り向けばシャニーが首を横に振ってきた。
甘い考えは棄てろと言ってあったはずなのに。

「シャニーへの恨みなど、もう私の中には無い。」

ところが、相手は剣を衝き向けてきているくせにまるで戦意はないようなことを口にしたではないか。
「もっとも、お前達から手を出せば逃げはしないがな。」ぎろっと鋭い剣幕がゲイルへと向けられ、どうするのかと問うてくる。
ひとりなら遠慮なく突っ込むところだが、後ろから引く手が強くなりやむなく様子を見る。

「だったらいいトコの姫様がこんな夕暮れの森を散歩なんて家臣が心配するわよ、さっさと帰りなさい?」

悪友の様子に、代わりにエルピスが一歩踏み出してみた。
意図が読めない訪問に、相手の動向をうかがうように挑発してみる。

「勘違いするな、影武者よ。個人の恨みが消えただけで、国を守る騎士としては敵であることに何ら変わりはない。」

一体何をしにきたのか、やはり見えてこない。弓を召還し、アンドラスへと向けるエルピス。
― はっきりしなさい。
翠緑の目がアンドラスへ無言のうちに問うが、横から蛮勇が緊張を跳ね飛ばしてきた。

「しゃらくせえな!失せるか果てるかどっちか選べ!」

シャニーの手を振り払って、ゲイルが怒鳴りながらアンドラスとの距離を詰めた。
どうしてこうも荒っぽく、力で解決しようとするのだろうか。
慌ててシャニーも前に出てゲイルの服を引っ張るが、彼はもう振り向いてくれない。

「ふふ、すぐ帰るわ。」

いつものように挑発に乗ってこなかった。何と剣を鞘に収めてしまったのである。
「だけどあなた達にひとつ教えようと思って。」それでも彼女には魔法がある。構えを解かないゲイル達。
そんな彼らを目を細くして見下ろし、一枚の紙を見せ付ける。

「レイ博士は本国に戻ったところを拿捕されたわ。」
「な、なんですって?!」

仰天するシャニーの目の前に示されたものは、レイの拘束状だった。
彼はルアスの市中調査の為に先にルアスに潜入してくれていたはず。
今一体彼がどんな状況に置かれているのか、わっと不安が胸の中に広がり表情を奪う。

「本人は必死に野蛮人から逃げ出してきたって言い逃れようとしていたけどね。」

そんなこと、誰が信じるものか。そう言いたげな嘲笑が小雨になった森に響く。
突然襲い掛かった絶望に言葉を失うシャニーたち。

「てめえ!レイはお前にとって大事な人間じゃなかったのかよ!そんな人事みたいに言いやがって!」

以前、レイはアンドラスのことをいつでも気にしていたし、
パーティ内で帝国への不信感を募らせている中でも、彼だけはアンドラスを信じていた。
その心を踏みにじるような笑みにゲイルが吼える。

「大事な人よ。だから私が身柄を確保しているの。」

だが、蛮勇が驟雨を引き裂いても細身が怯むことはなく、その眼差しが鋭くなる。
反面、ゲイル達の間では僅かながら安堵が広がる。レイはまだ無事なのだ。

「助けたくば三日後の深夜、錬金術研究所の8階に来い。お前達の勇気に期待する!」
「待ちやがれ、アンドラス!」

用件だけを伝えると、アンドラスは空に手を伸ばして足元には魔法陣が浮かぶ。
逃がすものかとゲイルが駆け寄るが、伸ばされた手は空を掴み、マナは天へと上っていった。
「どうやらルアスに戻ったようだね。」アリアンの声が逃亡先を伝えるが、そんな事はどうでもいいことであった。
逃げようとも、こちらから向かうだけの事。3日後といわずとも、今からでも向かってやろうか。
そんな想いがルアスを睨むゲイルの後姿から伝わってくる。

「シャニー、あんな優男どうでもいいけど、やっぱ助けに行くわよね?」

アンドラスが妹分に話を振る。アンドラスが呼んでいるのは間違いなく彼女だからだ。
聞くまでもないことだが、帝都へ突撃するのだ。
すべての意志が固まっていなければ、もう後戻りは出来ない。

「もちろんだよ!レイさんだけじゃない。アンドラスも・・何かすごい疲れ果てた顔をしてた。」

ゲイルはすぐに飛びかかろうとしていたが、シャニーは驚くほど冷静にしっかりと相手を見ていた。
元から人の心を見つめることは得意だが、今回はうっとするものがあった。
一体アンドラスに何があったというのか、とても宣戦布告をしに来る顔ではなかった。

「刃に訴える事になるかもしれない。けど、彼女の剣を折ってでも、一度話をしたい。」

制圧の光を振るうことはしない。だが、調和のために火花を散らすことは躊躇わない。
父に教えられた。常に相手の心を、真実を見抜くためにこの光は使うべしと。

「三日後か・・・行こう、みんなを助けるんだ!」
「そいつが終わったら一気にアルトシャンとも決着だな!」

さっと手を差し出して士気を高めるシャニー。
その手に真っ先に手を重ねてきたゲイルが強く戦の終わりを描くと、彼女はまっすぐ見つめてきて頷いた。
熾天使の意志に、仲間達もそれぞれが手を重ねていき、雨の中に決戦への誓いの号令がなされた。
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