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「ChaosTrigger~天神復活と破滅の魔道書~」
Chapter23 信じるあるべきのために

8話:帝の帰還

 ←7話:復活と創造 →9話:暗黒の飛翔
 ようやくに光が巻き起こした旋風が吹き収まり、あたりに視界が戻ってくる。
あれほどの閃光がルアス城の中を拭きぬけたというのに、収まると何事もなかったかのようだ。

「やったか!?!」

だが間違いなく、アストレアがアルトシャンを射抜いていた。
地面にうつ伏せに倒れるアルトシャンの姿を見下ろすゲイルだが、次の瞬間彼は拳を握り締めた。
何とアルトシャンの手が動いたではないか。

「な、なんてこった!くそっ、まだ完璧な状態じゃないってことなのか?!」

マナの融合をしている自分でさえ、覚醒前のシャニーの光の矢を受けたら痺れて動けなくなった。
だが今放たれた一撃は間違いなく、覚醒の光だったはず。
思わず今も宙で羽ばたく虹色の翼を見上げて困惑を浮かべるが、横から嬉しそうな声がした。

「いいえ、あれが完全な状態よ。アストレアは無闇に命を射抜き砕く矢ではないだけよ。」

自分は最後はその光を粛清に使ってしまったが、妹は分かっていると信じていた。
その祈りに答えるようにしてシャニーが見せた光。
まさに希望を司る熾天使の扱う光に相応しいもので、自分のことのように晴れ晴れしい。
今まで散々カス賊呼ばわりしてきたが、今だけは褒めてやった。

「くっ・・・わ、私は生きているのか?」

手を衝き、上体を起こして周りを見渡すアルトシャン。
あたりには慣れ親しんだ城の壁、そして敵対してきた人間、光が今も広がる。
生き延びてしまった・・・そう思うと目が、口元が震えだす。

「あなたは死んだわ。あなたの中に巣食っていたハデスの血はね。」

静かに降りてきて、ぱっと虹色を宙に溶かしたシャニーを見上げるアルトシャン。
彼の驚きに満ちた眼差しをしっかりと見据えて彼女は答えた。
今この世界に生きるアルトシャンは、もう魔王ではないのだと。

「血の浄化をしたというのか・・・。なぜ、なぜ私だけ!一思いに殺せ!」

新たな絶望がわっと沸きあがり、他見憚らず涙を振り飛ばす父。
ようやく娘と幸せな時間を送ることが出来ると思ったのに。
救ってやりたかった娘だけが死に、自分だけ生き存えるなど拷問か。

「アストレアは命を奪う光じゃない。彷徨う魂を導く希望の矢。
 確かにあなたにはハデスの血が流れていたかもしれない。それはアストレアが消し去った。」

そんな彼の心を聞きながら、シャニーは彼の願いを退けた。
守る為の光に、殺める力は必要ない。倒すべきは悪しき心であって人ではなく、すでに魔王の闇は払ったのだ。
がっくり崩れ落ちるアルトシャンにまた一歩近づく。

「だけどそれでも、あなたが今こうして生きているということは、ハデスの血がすべてではなかったということ。」

純粋な悪であったならば、アストレアがすべてを溶かして今頃形も無かったはずだ。
しかしアルトシャンは生きている。生きて感情が激しく叫んでいる。
彼もまた、人間だったのだ。悪神の呪縛から開放された、ひとりの夢の探求者。

「あなたは魔王ではなく、ひとりの父としての・・・いえ人間としての愛がいっぱいに流れていた。」

アストレアが血の浄化を為す時も、そして今こうして目の前で崩れ落ちている時も。
彼の心の叫びはずっとシャニーの心に直接訴えかけてきていた。
そして彼女に集まる多くの声は口々に彼女に言うのだ。彼は救われなければならない人だと。
「私が・・・愛だと・・・。」だが、当の本人はシャニーの言葉に目を震わせながら見上げて、悲しみにヒクつく口元から震える声で怒りを顕にしてきた。

「片翼を、そして今娘をも殺した私に愛だと!」

適当なことを言うなと言いたげな見開かれた絶望の眼差しが希望を突き刺す。
一体この天使はどこまで希望を騙り絶望を植えつけるというのか。

「頼む、もう私に生きていく意味はないのだ。片翼や娘の許へ行かせてくれ・・・。」

これが今まで、剣帝と呼ばれた完璧無欠の男だったとは思えないくらい、弱々しい。
手を衝き、足を引きずりながらシャニーの足元まで寄ってきた彼は、涙を流しながら死を求めて懇願してきたのである。
しばらく彼の哀れな姿をじっと見下ろしていた彼女は、静かに首を横に振った。
最後の希望さえをも失われて、がっくりとうな垂れ、嗚咽とも悲鳴とも取れない獣のような声で泣きはじめる。

「意味は自ら生み出すもの、あなたが今まで創ってきたように。死に逃げるのが剣帝の誇りなのですか。」

そっとしゃがみ込んでアルトシャンと視線の高さを合わせると、静かにだがそれでいて強くしっかりとした口調で彼に問うた。
今まで戦ってきた意味はなんだったのかと。

「彼女たちの想いを受け取ったのなら、生きて、生きて彼女らの想いを実現させなくては、あなたが。」

― 彼女達の想いを棄てるつもりなのか?
暗にそう問われて、アルトシャンは何もかもを失ったずぶ濡れの顔で熾天使を見上げた。
威厳など欠片もない、喪失に体を振るわせるひとりの父は、彼女からの問いの強く首を横に振ると、口元を噛締めた。

「これでようやく、何の邪魔も無く娘を抱きしめてやれると思っていたのだがな・・・。」

本当に幸せに娘を抱きしめてやれたのは、ほんの僅かな時間だった。
気付けばマヴガフに締め上げられて身動きが取れないどころか、娘にさえ噛み付いて毒を流し込まれた。
そのすべてから開放される・・・それだけが希望だった。

「私を心から愛してくれたのは娘だけだった。もうあの笑顔がない世界は・・・私には辛すぎる。」

熾天使の言うとおり、愛する者の想いを放り捨てることなどできるはずもない。
だが、道を歩み、求め続けることは時として苦痛だ。死んでしまうことのほうが楽なぐらい。
死に逃げるのか?そう問われて彼は愛と新たに生まれた苦痛に板ばさみになって小さくなっていた。

「アンドラスはあなたを愛していました。屠られて、なお彼女は言った、あなたを助けて欲しいと。」

彼女がシャニーと何か話をしていたことは知っていたが、まさか自分のことを話していたなんて。
今にも目が飛び出しそうな彼はふいに立ち上がると
ふらふらと歩いていき、今もレイの膝の上で静かに眠る娘の顔を見下ろす。

「アンドラス・・・アンドラス・・・!うおおおおお!」

崩れるようにしゃがみ込み、震える手で娘の頬に添えて天を慟哭で引き裂いた。
その姿に誰もが唇を噛み込み、やりきれない想いが沈みかけた群青の空に滲む。

「レイ!アンドラスは生きているのか!大丈夫なのか?!」

居ても立ってもいられなくなったゲイルが悪友に叫ぶ。
最愛と誓った相手だ。レイが彼女の死を受け入れられるわけはない。
彼もまた涙にぬれながら必死に祈っている。

「蘇生術を施しているんだが・・・。」
「だめなのか?!」

思わずストレートな言葉で聞き返してしまい、がっくりとうな垂れる悪友の姿にうっとする。
何度目だろうか、助けられない命を前に愕然とするのは。
己の無力さにレイは震えていた。だが、何度も何度でも彼は繰りかえす。
イアに祈り、今も静かに眠る最愛の手を握り締めて。

「彼女を構成していたハデスのマナの部分が消えて、魂のバランスが崩れてしまっているんだ。」

涙を流しながら必死に魔法を唱えるレイ。
マナを放出し切って蒼褪めた顔がぬれて絶望を色濃く醸し出す。
難しいことを言われて何も返せないゲイルだが、シャニーははっとして手を打つ。

「きっとあの時の私と同じなんだ。ほら!ゲイルに助けてもらったでしょ!魂がバラバラに砕けたとき!」

エルピスと二つのマナがひとつの魂を構成していた頃だ。
ゲイルがエルピスを倒したことで、魂のバランスが崩れてシャニーも死を迎えたことがあった。
彼もまた、シャニーと同じように手を打って互いに相手に指をさして頷きあう。

「アルトシャン!まだチャンスはあるぞ!」

あの時もゲイルは最愛を失った悲しみに1週間立ち直れなかった。
だが、最後は彼女の魂に直接話しかけて天界へ連れて行かれようとしていた彼女を引き戻した。
愛しているのなら、呼びかけられるはず、そして手を引けるはず。
ゲイルは強くアルトシャンの肩を叩くと上を向かせた。

「アンドラスは助かるのか!?助かるなら教えてくれ!我が命に代えてでも彼女を幸せにしてやりたいのだ!」

藁をもすがる思いで両手でがっしりとゲイルの両肩を掴む。
その眼差しのどこにも、もう軍人としての冷血さはなく、最愛の帰りを唯望む父の悲しみだけがある。
そして、最後の希望にかけるその思いはわき目も振らず見つめてくる。

「命に代えて・・・それが認められない。けど、方法はあります。」

はっきりと条件だけは彼に伝えたシャニーは、アンドラスの横にしゃがみ込む。
彼女を真似るようにアルトシャンも再び娘の横にしゃがんで白く細い手をしっかりと包んだ。
まるで娘への侘びが聞えてくるかのような崩れた顔に、シャニーは彼を信じた。

「レイさん、私とマナの融合をして蘇生術をかけて。」

再びトパーズを握り締めて熾天使の権能を開放する。
いつもとは違う、凛とした眼差しにレイも彼女が何をしようとしているかを悟り、静かに頷くと彼女の手に触れてマナを受け入れ始めた。

「アルトシャンはその時アンドラスに向かって祈るの!そしたら、きっと彼女の声が聞こえてくるから。
 あなたが本当に彼女のことを愛し、幸せにしたいと渇望しているなら、きっと。」

自分が死にかけて、死にたくないともがいていた時、最愛は迎えに来てくれた。
がっしりとその強い手で引き、太い腕で包み込んで死の淵から救い上げてくれた。
きっとこの父もまた、娘に同じ事をしてやれるに違いない。
虹色の翼が親子とレイを包み込み、蒼の瞳がまっすぐアルトシャンと見つめる。

「分かった。すまない、レイ博士。私の最後のわがままを聞いていただけないだろうか?」

今まで敵として命を狙って来た相手。歪んだ進化を促すと神の啓示が示唆した熾天使。
それが今、自分を救おうとしている。これまでを詫びた彼は視線を移して今まで自分を信じてくれていた名医に頭を下げる。

「アルトシャン様はこれからこそ必要とされるお方。過ちに気づかれたなら、私も全身全霊を捧げましょう。」

レイにとっては、長い長い悪夢がようやくに覚めたような気がしていた。
やっと、元のアルトシャンに戻ってきてくれた、と。
彼もまた、最愛を救い出して欲しくてアルトシャンへ静かに頭を下げる。

「ありがとう・・・ありがとう・・・。」

男泣きしながら周りに頭を下げ、感謝を零し続ける。
こんなにも人の力を尊く感じたことは、恐らく生涯の中で初めてのことだろう。
「では・・・頼む。」レイを、そしてシャニーを見つめたアルトシャンは今一度頭を下げると、
アンドラスの手を強く握り締めて目を瞑り、祈り始めた。
この祈りに娘が答えてくれることだけを信じ、考えて。

(お願い・・・アンドラス、呼びかけに応えて・・・。)

シャニーもまた共に目を閉じて祈り、語りかける。
ゲイルがあの時、どんな気持ちで自分を救いに来てくれたのか、アルトシャンを見た今分かる気がする。
何とか、あの時の幸せをこの親子にも。彼女の放つマナが一層に輝きを増していく。

「!」

その時だ。アルトシャンの眉がピクッと動き、彼はさらに強く娘の手を握りだす。
(聞えるぞ・・・アンドラス!今行くぞ!)混沌とした暗闇の中にぽつぽつと浮かぶもの、これが崩れた魂なのだろうか。
その奥、かけらが吸い込まれるように流れ込む真っ暗闇の奥底から声がする。
闇に飲み込まれる恐怖など微塵にも感じず、アルトシャンは娘の声だけを求めて彼女の魂の中へと消えて行った。


 それからどれだけの時間が経っただろうか。
これだけマナを放出したらシャニーも危険ではないかと思うくらい時が流れたようにも思えるほど、
行く末を見守る者達にとっては長い、長い時間だった。
その時は突然訪れ、それまで沈んでいた蒼白い瞼が電流が流れたかのように急に動き出す。

「お父様・・・?」

まさかの声にはっとアルトシャンが目を開けると、そこには自分を見つめる蒼の瞳。
驚きに喉が締まって声にならない声が漏れる。

「お父様!!」
「アンドラス!」

だが、アンドラスはもう二度と会えないと思っていた父の姿を目の前にして飛びつかずにはいられなかった。
今飛びつかなかったら、永遠に離れ離れになってしまうような気がして。
彼女に抱きつかれた途端、アルトシャンも無意識のうちに名を叫んでいた。

「あぁ、アンドラス・・・良かった・・・よく・・・よく帰ってきてくれた・・・。」

もうそれ以上、言葉にならなかった。
言葉以上に強く、強く抱きしめて、嬉し涙を流しながら彼女の髪に手を滑らせ、
華奢な背中にしっかりとした温もりを確かめて、とにかく抱きしめた。
強く、強く・・・。二度と手放さないように。

「申し訳なかった・・・すまぬ、許してくれ・・・大事なお前に剣を振り下ろすなど・・・すまぬ・・・すまぬ・・・。」

ただただ、漏れ出す詫びの言葉。
確かに自分が下したものだ。だが、口にすればするほど、自分が魔王ではないかと疑わしい。
もう二度と愛してもらえないかもしれない、恐ろしくて愛を求める父の声が震え続けた。
「もう何も言わないでください。」慟哭する父の両頬にそっと手を添えたアンドラスは涙にぬれながらも見せたものは微笑み。

「お父様は何も悪くない。心の底から私のことを愛してくださっている・・・分かっています。」

せっかくの再会を涙でぬらすより、笑って今を確かめていたい。
そのまま嬉しそうに笑ったまま目を瞑り、父の抱きついて背中に手をまわす。

「あなたはもう武人でもハデスの貴公子でもない。
 アンドラスのお父さんです。あなたの愛・・・熾天使はしっかりと見届けました。」

戦いはもう終わりなのだと、シャニーは改めてアルトシャンに伝えると、ふっと光を宙に解かす。
するとそこにはそれまでの凛とした眼差しの乙女の姿は消えて、いつも通りの好奇心に満ちた丸い瞳が戻ってくる。
だが、少し疲れたのかふらついて最愛に寄りかかるようにしてその胸の中に吸い込まれた。

「もう、もう何も心配は要らぬ。私はこれからもお前の事を守っていくと誓う・・・。」

世界が、いや世界でたった一人、君だけが父と認めてくれるなら、もう何も望むことはない。
しっかりと娘を抱きしめたまま、アルトシャンは強く誓った。
愛がこれほどに強い力を生み出すとは・・・死者さえ蘇らせる強さに、アルトシャンは新たな道を踏み出す覚悟をその瞳に宿す。

「ええ、私だけの自慢の父です。どこにも行かないでください。」

その父の迎えを待っていたかのように、アンドラスの眼差しも朗らかで幸せそうだ。
長い長い闇から抜け出した親子は、ただひたすら互いの愛を求めて抱きしめあう。

「これからこそ大事な時です、がんばっていきましょう!」

そして彼女は父に呼びかけた。周りに居る者達と手を取り、幸せを侵す本当に倒すべき敵を倒そうと。
アルトシャンがうなずいたのは言うまでもない。それこそが、新たな道の第一歩。

「そうだな・・・。あるべきを目指す道に揺るぎはない。だがしかし・・・あるべきの中心に今一度愛を置き直す必要があるようだ。」

人間を信じられずに居た。信じられないから、管理するしかないと考えてきた。
だが違う。愛し、同じ目線で悩みと向き合い、悲しみを聞き、そこから夢を皆と描いて希望を生み出す。
愛がない世界ほど、悲しいものはない。
それを思い知った男は、以前とはまるで違う青写真を描こうといている。

「ああ・・・お父様・・・剣を持っていないお父様もやはり素敵です・・・。守り方はたくさんあります。」

ついに分かってくれた父にアンドラスも嬉し涙を流して強く父を抱きしめる。
世界でひとりだけの、自慢の父。ずっと苦悩に満ちた顔ばかりしか見ることが出来なかった日々。
だが今はどうだろう。まだ終わっては居ない、だけど彼の顔はこれまでにないほど清々しく、
今まで見たどんな顔よりも大好きなもので彼女のハグは止まらず、
それを受け入れるようにアルトシャンも男泣きも憚らず愛を確かめ続けた。

「ようやくに戻ってきたな。アスク最強の守り手、剣帝アルトシャンが。」

その後姿を見下ろして、ふっと笑うメルト。
この背中こそが、かつて共に世界の未来を夜通し語り合ったアルトシャンのもの。
「今度こそ、本当の最強だ。」さらに今、剣帝は愛を知り、その剣は愛する者を守るための剣と生まれ変わった。
きっと未来は明るい方向へ進む。その確信を持ってメルトは最強という名の称号を送った。

「メルト殿・・・貴殿らにも筆舌に尽くせない多大なる迷惑をかけた。今一度ここで詫びさせて欲しい。」

しっかりとメルトを、そしてシャニーを見つめて深々と頭を下げるアルトシャン。
だが、メルトはすぐにそれを止めさせて彼の手を取った。

「謝るべきは俺達ではない。お前を信じたマイソシアの民全てが謝る対象だ。」

シャニーもメルトの言葉に静かに頷いている。
アルトシャンの言葉を信じてきたルアスの民、ずっと手を取ってきた地方の民。
全てが今回の動乱の被害者であり、そして幸せにならなければならない者達だ。

「そしてそれはどんな詫びの言葉を積み重ねても終わりではない。」
「分かっている。これから行動で示していく。」

詫びる事では何も解決はしない。最初に一つ詫びたなら、後は行動で示すしかない。
失った信頼を取り戻すことは並大抵の努力では為しえないが、
アルトシャンは強く頷くとはっきりとした口調で前を向いていくことを宣言した。
「まずは・・・やるべきことはひとつだ。」その最初の一歩。メルトを、そしてシャニーの目をしっかりと見つめる。
今民の為に、世界の為に一番しなければならないことを為そうと呼びかける。

「そうです。もう何も障害はないのです。力を合わせてハデスを封印しましょう!」

ゆっくり歩み寄り、笑顔で手を差し出すシャニー。
つい数十分前まで、命を奪おうと敵対していた相手とは思えない。
だがその笑顔はアルトシャンを救うに十分なものであり、彼もまた歩み寄る。

「ああ、よろしく頼む。では早速作戦に移ろうではないか。」

がっしりとかわされた握手は、戦争の終焉を伝えて誰もの顔に安堵を浮かべさせた。
だが、ここで安堵はしていられない。すぐに剣帝としての眼差しに戻ったアルトシャンが、
シャニーへ、そして仲間達へ一つ掛け声をかけたその時だった。

「アァ~クセェ、クセェ!芝居はようやく終わったかァ?!」
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