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「ChaosTrigger~天神復活と破滅の魔道書~」
Chapter06 氷結のサキュバス

10話:無いもの同士

 ←9話:闇に迫る影 →11話:闇同士 前編
 翌日、ヤアンはルアス滞在の最終日の日程を終えてルアス城の中を歩いていた。
もう既に日は落ちてあたりは松明の火で照らされている。 どうにもこの夜というのは好きではない。
この真っ暗闇がデルクレビスを思い出させてくれるからだ。 月光もない曇天の日は最悪だ。
「!!」
「おおっと、いきなり暗拳を揮うとは穏やかじゃねえな?」
幸い今日は月光が輝いて、悪の気配を浮かび上がらせてくれた。
いきなり背後に現れた気配に無意識のうちにバックナックルを浴びせにかかり、直撃を受けた壁は大きく砕ける。
だが、そこに肉の潰れる感覚はなく、代わりにあの嫌な声が聞こえてきた。
「・・・またてめえか。 死にたくなければ俺の背後に立たぬことだ。」
空耳であって欲しかったのだが、拳を壁から引き抜きながら背後を振り向き見下ろすと、
月光に黄金の蛇眼がぎらぎらと輝き、口元の笑みがますます陰影濃く野心を強く印象付ける。
ダークスーツもまた、いつもの紳士的な振る舞いではなく、だらりと胸元を開いて攻撃性をアピールするかのようだ。
「まぁそう言うなよ、差し入れを持ってきてやったんだぜ。 てめえみたいな闇世界の住人の大好物をな。」
すっと細い腕を伸ばしてぱちんといい音を立てて指を弾くと、その手先に召喚されてきたのは一杯の椀だ。
湯気を上げるそれを顔の前にかざしてひとつ香りを楽しむと、さっとヤアンへ差し出してみせる。
「なんだこれは。 ・・・中に入っているのは・・・人か?」
受け取った椀の中を覗き込んですぐに、ヤアンは何か異常を感じ取っていた。
この暗闇でも分かる汁の赤きの鮮やかさ、そしてその中に浮かんでいるものを摘み上げて眉間にしわを寄せる。
どう見てもこれは何かの・・・いや人間の指だ。 ということはこの隣に浮かんでじっと見つめてくる目玉は・・・。
「教団でも式典のときしか食えねえ貴重な汁物だ。 教団からの親善の意志、受け取ってくれよ。」
ポケットに手を突っ込んでニヤニヤしながら見上げてくるマヴガフ。
別にネクロ教などという宗教には興味はない代わりに敵意もないヤアンは、じっと椀を見つめると、
特に躊躇いもなしにそれを顔の方へと近づけていく。 それを目を細くして眺めるマヴガフの口元が少しずつ釣り上がる。
「そうか、まあいただこう。」
椀の汁を啜り、中の具を噛み砕き・・・まるで普通にスープを食べるような素振りを見せる。
その姿はまさに日常感を漂わせており、マヴガフの含み笑いを誘った。
当然だろう、デルクレビスではこの程度の話は茶飯事だったはずなのだから。
「ほう、それを臆せず飲めるか。 どうやらまだ闇世界での悪しき記憶は拭えねえみたいだな?
聞こえるだろ? 痛み、怒り、悲しみ・・・きれーな歌声がよォ! さっきの拳、求めてるんだろ?」
今の態度で、やはりヤアンはデルクレビスでの修羅としての記憶を決して封じたわけではないこと分かり
城中に、いやルアス中に癪に障る甲高い悪魔の笑い声が響き渡った。
それを阻むかのように、舌打したヤアンはスナップを利かせて椀をマヴガフへと投げつける。
「拭えるはずねえだろうが。 だがな、普通の武人なら、背後に立たれるのは嫌うはずだ。」
ナイフにマナを宿し、ぱっと椀に投げつける。 すると鋒を蛇頭に変えたヨルムンガンドがしっかりと椀をくわえ込み
諸共闇の中へと消えたかと思うと、いつの間にかマヴガフがその手にしっかりと椀をキャッチしていた。
不気味に笑う司祭を前に、ヤアンは二度と背後に立たぬように警告を発する。
「ヘッ、武人の考えはネクロマンサーには分からねえなぁ?」
眉間にシワを寄せながら両手を広げて見せたマヴガフは、またしてもあの気に入らない憫笑で天を裂きながら
ふらふらと廊下をよたついてヤアンへと背を向けた。 あまりにも挑発的な態度にさすがのヤアンも限度を超え、
彼は拳を握り締めると一気に襲いかかった。
「こんな風に背後から襲われても対処できねえだろ!」
武の達人の動きはまさに居合いをして見せるかのように素早く、一瞬の出来事だった。
まるで分身しているかのように月光の中を目にも止まらぬスピードで踏み出した巨体は、
その体重に任せて暗拳をマヴガフの後頭部目掛けて繰り出して押し潰したのである。 確かな感覚が拳に伝わる。
「!?」
「ふふふ、確かにな。 直撃すれば命はないだろうなぁ。 直撃すりゃあな?」
だが、その感覚はあっという間に四散すると拳は後頭部を貫いて貫通した。
目の前にある光景が信じられずに、ヤアンは声を上げる事も拳を引き抜くこともできずにいる。
何と、まるで液体かのようにマヴガフの体が揺らぎ、どろどろと湧き上がっているのである。
「てめえ・・・やっぱ何者だ。」
拳を引き抜いて正面に回ってみると、ぐにゃぐにゃと実体のない幽霊の如く揺らぎ
風穴開けたはずの拳の跡もあっという間に埋まって、その中から顔と思しきものが浮かび上がってくると
そこにはまたあの不敵に笑う悪魔が蘇る。 明らかに人間ではない存在に、ヤアンの剣幕も厳しくなる。
「俺はネクロマンサーだ。 死を司る者、自分の身でさえも霊魂化することが可能ってワケだ。」
埃を払い、ダークスーツを整え、ネクタイを緩く締めなおして手鏡で確かめると、
また何事もなかったかのように不敵な笑みと鋭い蛇眼が見つめだし、思わずヤアンでさえも一歩退いてしまう。
見た目はただのチンピラか何かなのだが、どうにも食えない奴と言う最初の印象が確定した瞬間だった。
「おっかねえ力を持っていやがるんだな。」
ただの宗教家ではない、下手をすればアルトシャン以上に恐ろしい人間かもしれない。
何を望み、考えているかサッパリ掴めない純粋な悪が目の前でぎらついている。
だが、こういう人間が何の理由もなしに馴れ合いに無駄な時間を使うとは思えない。 何かある、警戒心が募る。
「ははは、興味が湧いたか。 ではネクロ教を信じろ!」
お決まりのセリフを口にしながらビシッと指先が剃りあがるほどにヤアンを指差す。
警戒していた分、逆にこのまっすぐすぎる要求に面食らってしまった。
結局、彼はただの宗教家でしかないというのだろうか。 興ざめと手で払うようにして視線を逸らす。
「残念だが信者獲得は他所でやってくれ。 何と言われようが俺にとっての神は俺だけだ。」
「何でよ、今テメェはこの力に興味を持ったぞ。 驚かなくてもいーんだぜ、てめえほどのマナなど揺らぎゃすぐ分かんだよ、ヒヒヒッ。」
知らないとは口にできまい、思い違いだとも言わせまい。 自信に満ちた暗黒の使い手だが、その表情の中には困惑が含まれていた。
かつてあれほどに闇を求めて、そして極めた男がどうしてそこまで自分を抑えて力から目を逸らそうとするのかまるで分からないのだ。
偽善者はいつもそうだ、自分に嘘をついてついて、それが美徳と勘違いする。 全くバカげた連中だ。
「俺も昔は神を信じていた時期があった。
だがな、救ってくれると勝手に信じて、救われなければ裏いられたと騒いで・・・虚しくなった。」
結局は自分達が行動を起こさなければ、どれだけ神が光や機会を与えてくれてもその場凌ぎ。
根本的な解決に至らない一時的な希望は、遠くない未来にそれ以上の絶望を呼び寄せるのだ。
期待しなければ、絶望も生まれない。 信じられるものは自分だけ・・・それがあの闇世界を創り上げたのだ。
「宗教はただの心の支えだ。 いざと言う時何の役にも立たない、そんな下らないものは信じないほうがマシだぜ。」
彼が信じた光は、そんな都合のいいカミサマなんかではなかった。
神界に反逆してまで人間を守り、自ら立ち上がり、歩み掴み取る事を教えた。 守られるだけではなく、守り支えることを伝えた熾天使。
闇世界に光をもたらしたまさに希望、エルピスの光によって、彼は修羅から生まれ変わる事が出来たのだ。
もちろん、ヤアンの言った神と言うのが、天界の善神達であることなどマヴガフにはすぐ分かって、笑みは一層高くなる。
「ならますますネクロ教はてめえにはもってこいだ。 ハデス神は信じるものに力を与えてくれる。」
役に立つ? 善神が人間にとって役に立つわけがない。
全てこの世界は善神による謀であり、人間も、いや生きるすべては神の進化のための道具でしかない。
彼らの謀は何も今はじまった事ではない。
世界創造のときから既に始まり、その時の裏切りが今もこうして怒りを猛き焔の如く燃え上がらせるのだから。
世界最大の裏切者、それも知らずに盲目に神と崇めるとは。 これだから人間はバカだとこの司祭はいつでも吐き捨てるのである。
「ふふふ、見てみろよ、俺のシモベたちを。」
さっとバックステップして足元を踏み固めたマヴガフは両手に無数のナイフを取り出すと
その一つ一つにマナを宿して邪蛇を生み出し、一斉に地面に投げつけたではないか。
突き刺さったナイフからしみこむマナ同士が広がり、繋がって魔法陣を形成し浮かび上がったと思うと、その刹那うごめく人影。
「?! こ、こいつらは・・・!」
「てめえのマナから俺が蘇らせた死霊たちだ。 感動の再開だろ?
どいつもコイツもお前に殺された恨みでいっぱいだ。 ひゃああ、おっかねえなぁ、ヒャハハ!」
顔を手で押さえても釣り上る口元から漏れ出す甲高い笑い声が夜の街に響き渡り、
手の間からあふれ出す黄金の眼光は細く鋭くヤアンを見つめ、嘲り笑っている。
魔法陣から這い出してきたのは、かつてデルクレビスで殺してきた者たちだったのだ。
数千年間殺め続けた人数は数え切れず、無限に憎悪が湧き出る魔界の入り口が開かれてヤアンは息を飲むしかない。
「これこそが俺の力、そしてこれら怨恨こそがハデス神への最高の捧げものだ!」
狂ったように歓喜の声を上げたマヴガフは徐にスーツの中から黒き魔道書を取り出す。
さっと表紙をなぞれば自然と魔道書は開き、刹那暗黒が広がる魔道書から猛烈な風が吹き込む。
吸い寄せられる・・・ヤアンでさえも踏んばらなければあの魔道書の闇の吸い込まれてしまいそうだ。
「どぉーだよ?! 痛えか? 痛えだろ!? アーッヒャッヒャッヒャッヒャ!!」
召喚された死霊共は為す術もなく吸い込まれ、魔道書は込みあがるうめき声さえ飲み干していく。
目元を抑えながら魔道書を高く掲げ、上半身をこれでもかと逸らして天を仰ぎながら高笑いを続けるマヴガフ。
猛烈な暴風の中で彼の髪は完全に逆立ち、あの紳士的な青年と同一人物などまるで信じられない悪魔がそこにいた。
彼の笑いが止まったころには、召喚された死霊たちはもちろん、意志なきものはすべて飲み込まれ
城の渡り廊下だったはずのこの場所は今や月が照らす野原のごとく変わり果てていた。
「・・・で、俺に付きまとっているわけか。 貢物がいくらでも手に入るからって算段か。」
恐ろしい力を垣間見、その狂気的な性格がただの見かけ倒しではないことを知り固まるヤアン。
これでマヴガフの考えていることが少しわかったような気がした。
ところが、マヴガフは魔道書をしまうと手を左右に振ってニヤニヤと笑いかけて来たではないか。
「まぁ、それは大した問題じゃねーよ。 テメェに付きまとわずとも俺がオモチャにしてやればいいだけよ。
尤も、楽しめるレベルじゃなきゃオモチャとも呼べねえがな。 作業はツマんねェだろ?」
一体どこまで彼は本心を隠しているというのか。 あれだけ魔人的な振る舞いをしていながら
まだこれでもあの紳士な青年ゴッコ同様の演技だとでもいうのか。
海千山千のヤアンでさえも、これは手に負えないとんでもない人間に絡まれたと心底焦りだし、表情が固まり冷や汗が垂れだしていた。
「じゃあなんだ。 俺に付きまとう理由は何なんだ?」
どこまでもよく分からない人間であり、ヤアンはついに白旗を上げるかのように直に聞きにかかった。
この瞬間が訪れるのを待って楽しんでいたかのように、睨みあげる眼光が更に鋭く攻撃的になって口元が危険に白い歯を見せる。
「単刀直入に言おう。 デルクレビスに伝わる魂の蘇生術を教えろ。」
「・・・なんだと?」
にわかには耳に入ってきた言葉を信じることができずにヤアンはマヴガフを見下ろしたまま固まった。
だが、相手の蛇眼は蒼白の時間さえ許してくれずに答えを奪い取ろうと絡みつき、締め上げてくる。
なぜ・・・この世界の住人がここまでデルクレビスの力に詳しいのか全く分からない。
一介の司祭では説明が付かないくらい、この男は謎を手中に収め、更にその先を求めようとしているのだ。
「てめえら修羅が他を殺めて、その魂を取り込み力を得る、その方法だ。
それがあれば、俺達ネクロマンサーは無限に力を得る事が出来る! ゲームが楽しくなるだろ?!」
彼にとって、人を殺すことはただの面白い遊び、ゲームでしかないらしい。
黄金の眼がまた一段と細くなって、彼は何が嬉しいのか舌なめずりまでし始めたではないか。
彼が求めていたものが、常人が知るはずもないあまりにも想定外のものでヤアンは息を呑む。
「断る。 俺にどれだけ付きまとおうとも、もう俺は修羅の時のことなど忘れた。」
絶対に教えるわけには行かなかった。 あの技術は決してデルクレビスから漏れ出してはならないもの。
少なくとも、この光の世界で、皆が支えあって創っていく世界では害にしかならない。 その確信があった。
予想通りうまくいかず、やや不機嫌そうに舌打したマヴガフだがすぐに手を広げて説得しに入った。
「ふふふ、分かるぜ、力を囲い込みたい気持ちはな。
俺達がその力を手に入れたら止められなくなる、分かってんじゃねえか?」
もちろん、ヤアンが教えない理由だってマヴガフにはあらかた察しが付いていた。
彼は黄金の眼差しから逃れるように背を向けたヤアンに忍び寄るように一歩、一歩彼に近づいていく。
革靴が石畳を叩くたびに、背後で光る黄金の冷笑が胸を突き刺すかのようだ。
「そんなんじゃねえよ。 もう、うんざりなんだよ、思い出すのも。
俺の体、俺の精神のはずなのに、俺以外の者が俺の中でひしめき合って呻き合うあの感覚が。」
その恐怖の足音をヤアンは睥睨して無理やりに止めさせた。
デルクレビスは確かに故郷だ。 だが、もう故郷で生きた記憶は二度と思い出したくなかった。
光の世界の住人となってから、過去を思い出すだけで震えが来るのだ。
「てめえには分からないだろうな。 どうにかなっちまいそうなあの恐怖は。」
自身の中で多くの魂がひしめき、自分が自分ではないような錯覚に陥る事がどれだけあったことか。
修羅の時代は、生きる為にやむなく耐えてきた。 そして身も心もそれを受け入れて辛抱してきた。
ところが今はもう、開放された心は思い出すだけで悲鳴を上げる。
この苦しみは、どれだけこの司祭が博識でも分かるまい、当事者でなければ。
「そうか? 俺はたまんねえけどなぁ! あの脳みそが蕩けちまいそうな快感がヨォ!
エルピスが同じように人間の心を取り込んでいる。 奴ら偽善者に出来て俺らにできねえはずねーだろ?」
ところが、ネクロマンサーの彼にとっては、他人の魂を扱う事など茶飯事であるらしく
ヤアンが苦痛に思うことでも、彼にとっては快感だと言って憚らない。 やはり・・・この男は悪魔だ。
絶対にこの技術を教えるわけには行かぬとヤアンは首を横に振った。
「あいつと俺らはまるで違う。 あいつは受け取るもの、俺らは奪うものだ。」
何より許せなかったのは、自分を闇から引き揚げてくれた光と、自分達闇を同一視したことだ。
ところが、口にこそしなかったものの、その両者に一体何の違いがあるのかとマヴガフは鼻で笑っていた。
彼にとっては、受け取ろうが奪おうが、騙し取っている事に違いはないとしか映ってはいなかった。
「じゃあ手本を見せてくれるだけでいいぜ。 俺達ネクロ教が後は引き受けてやる。」
「残念だが、俺の主は無闇な殺生を許してはくれないんでな、諦めな。」
そろそろ辛抱が利かなくなってきたのか、嘲笑の中に苛立ちが見えて目元の彫が濃くなってきた。
そしてついにマヴガフは一歩踏み出してヤアンへすっと腕を伸ばすと、寄越せといわんばかりに手を広げてきたではないか。
だがヤアンの答えは首尾一貫しており、舌打の回数が増えるばかりだ。
「主だと? 誰だ、俺が言って聞かせてやる。」
目的の為なら手段を選ばない男だというのは優々想像できる。
あまり彼女の名前を出したくはないが、彼女ならたとえこの男がなんと言って詰め寄ろうとも屈しない確信があった。
「アンドラスだ。 ほかの事はともかく、そのことはお前相手でも絶対に許しはしないだろうよ。」
「アンドラスだと?! あのホムンクルスが、お前の主?! ヒャーッハッハッハ、おもしれえ冗談を言うなぁ、テメェ!」
ところがマヴガフは本気にしていないのだろうか、名を聞いた途端腹を抱えて笑い出したではないか。
彼にとっては滑稽で仕方なかった。 他人の魂を奪って自分を創り上げて来た人間が、空っぽな自分さえない人形に傾倒するとは。
所詮、自分がないもの同士お似合いと言うところなのだろうか。 笑いが止まらない。
「彼女の無償の愛に・・・存在価値を俺は感じているんでな。
全てが力を手に入れるための神への生贄なてめえらなんかと比べるのもおこがましいほどに。」
だが、ヤアンは確かなアンドラスの魂と意志を見抜きそれを守る事こそが新たに生まれた光の世界の住人、ヤアンの使命と答えた。
全てを愛する主にあって、他の魂を奪い取りこむなど何があろうと許しはしないことは明白だ。
主に聞いてみろ・・・そういわんばかりの背がマヴガフから遠ざかっていく。
「ちっ・・・舐めやがって。 なかなか手ごわいな。」
冗談ではなく本気だったと分かると、マヴガフは毒を抜かれたようにぽかんとしたあと
舌打をしながらネクタイを締めなおしてシャツを調えると、手元に召喚したソフト帽を深く被る。
そこには柔和な表情を浮かべる青年が現れて、何事もなかったかのように歩き出す。 確実に、次の手に向けて。
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